ほうれん草の移植機の重要な部分が、金属疲労で壊れました。農業地帯では、アルミの溶接をやってくれるところがなかなか見つからず、やっと見つけたのが、ここ、美郷町にある大坂鉄工所。「こんちはー」声をかけても、いるのに返事がありません。(やはり職人さんは一癖あるなー)と思いきや、私の移植機を軽トラから降ろすところを見て、「これは何だ?」と寄ってきて興味深く聞いてきます。「ほうれん草を移植する機械で、東北にはこれ一台しかないんですよ」と話すと「ほー」と珍しそうに見ています。そして、わたしが事務所にあるタンチョウ(金魚)を見つけて、金魚の話題を振ると、「まあ、ちょっと休んでけ」と缶コーヒーを冷蔵庫から取り出してくれました。このオヤジさん、色々と研究熱心で、金魚を増やしたり、アヒルやニワトリの卵をかえす装置を作ってふ化させたり、煙のでない焼却炉を発明したりと、すごいおもしろい人でした。作業所には旋盤もあり、お願いすれば何でも作っちゃうそうです。まさに、玄人好みの鉄工所でした。大坂さんは、これからもおつき合いして頂きたい職人さんです。
○