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脈間クロロシス&チップバーン

雨よけハウス栽培ほうれん草に生理障害が出ました。
脈間クロロシスとチップバーンです。
●症状の解説
1.脈間クロロシス:文字通り葉脈の間の緑色が退色し黄色っぽくなる症状。斑入り症ということもあるようです。これは鉄欠乏やマグネシウム欠乏により見られる症状ですが、今回の症状は中位葉を中心に認められたので、マグネシウム欠乏と判断しました。
2.チップバーン:カルシウム欠乏により葉の縁の伸張が抑制され、小さく縮れる症状。新葉に多く発生する。
●発生のメカニズム
1.脈間クロロシス:葉中のマグネシウム濃度が低い状態になってます。しかし、土壌中のマグネシウム濃度が低いことはまれで、カリウム過剰による拮抗作用から起こるマグネシウム欠乏を私はこれまでに多く見てきました。今回は、高畝栽培の畝の肩の部分に特異的に発生していたので、乾燥状態が影響したことも考えられます。また、私見ですが、曇天日が続いた場合に良くこの症状を見るような気がします。受動的に吸収移行するマグネシウムは日射量が少なく湿度が高い条件下で蒸散量が少なく、なることに影響を受けているのかもしれません。
2.チップバーン:これは葉中のカルシウム濃度が低い状態になってますが、土壌中にカルシウムが欠乏しているよりもむしろ、土壌中の窒素が過剰な場合の拮抗作用による症状が多いと思います。
●対策
とりあえず、窒素、燐酸、加里の3要素の施用を控えて、「まぐかる」を施用する事でpHがあがるような対処をしたいと思います。また、脈間クロロシスは畝の端の部分に局部的に発生したので、畝をもう少し低くしてみようと考えて様子を見たいと考えてます。
  

  

上段:脈間クロロシス
下段:チップバーン

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■コメント (1)

木村良仁:

初めてお便りします。チップバーンを検索していたところ、(私見ですが〜)のところに目が引き付けられました。私も春菊の芯枯れ症状が最も発現し易い時期は、曇天が続く時期すなわち梅雨期であるような気がしております。春菊の芯枯れ症状もカルシウムの欠乏が原因だと言われていますので、教えて頂きたいことは、ほうれん草の症状も、春菊の症状と同様に心葉の生育が止まったような症状なのでしょうか?これまでは外葉のチップバーンを見たことがあったのですが。



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2007年07月05日 23:16に投稿されたエントリーのページです。

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