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「美味しい」フロムUSA(ハンバーガー、牛乳、パン)

●合理主義の国USA(アメリカ合衆国)。この国の象徴はファーストフードだろう。第二次世界大戦(太平洋戦争)の敗戦国日本は、アメリカから救援物資として、パンとミルクを配給され、その後、日本にパン食が根付いたことは有名な話しである。その後、日本はアメリカから大量の小麦を輸入するようになったという。このことはアメリカの長期的視野に立った農産物販売戦略の典型的事例として取り上げられることが多い。
●自分は、農家出身で、自分のうちの米を食べて育ってきた。高校生くらいになってから、パンやハンバーガーを食べるようになったのだが、なんかしっくりこない。やはり米がおいしい。パンのぱさぱさ感が好きになれないのである(本当にうまいものを食べていないせいかもしれない。アンジュールさんの出来たてのパンは美味しいと思った)。もしも自分が幼稚園当たりから、このようなファーストフードを食べていたらどうなっていたのかを考えるとおもしろい。たぶん、あまり美味しくなくても、それが「お袋の味」のような感じで、美味しいと感じるようになってしまっていたのではないかと思う。味覚は、子供の頃からの学習とも言われる。苦みを美味しいと感じるのも味を学習した結果なのだという。このことから言うと、幼少時の食生活というのは大切だ。
●子供たちが大好きな、おもちゃがついてくるハンバーガーのお店がある。子供たちはおもちゃ目当てでハンバーガーショップに行きたがる。そうして、幼少時からあまり美味しくない(と私は思う)そのハンバーガーを毎週、毎月食べているケースも少なくないだろう。このようにして、今、日本の子供たちは、アメリカ的企業の長期的視野に立った食物販売戦略の対象になっているように思う。たぶん彼らは、サラリーマンになってからもハンバーガーを好んで食べるようになるだろう。
●USA発のファーストフードに対抗して、イタリア発のスローフードという考え方(活動)がある。この考え方の中には時間をかけて食文化をじっくり楽しむことを含んでいる。一見、ファーストフードは非健康的な食文化で、スローフードは健康的な食文化のように見える。しかし、日本の代表的ファーストフードである、寿司、饂飩(うどん)、蕎麦(そば)は、必ずしも非健康的な食べ物ではなく、むしろ米国では健康食として人気が出ているほどである。
●日本や、フランスは、長い歴史を持つ分、料理の世界が芸術の域に達している。それも、食べてなくなると言う点では花火のような芸術である。日本にはさらに、寿司やそばなどといった優れたファーストフード文化もある。日本は希にみる多神教国家であるが。食文化でも多様性があるのがおもしろい。
●「ファーストフード」と「スローフード」。物事に対立軸があるということはいいことだと思う。またそれらの両極は、ニーズがあって成立しているのだから、どちらも大切な文化であると思う。ファーストフード文化の持つ利便性は、これからの時代、必然的に受け入れられるだろうし。スローフード的文化の持つ文化的側面もも多くの人に支持されていくと思う。しかし、両方とも「食文化=健康維持」が成立する条件を満たす必要があると思う。食料を提供する側は、常に良心的立場から、長期的視野に立った食物販売戦略を立てて、実践することが大切であると思う。この、「長期的視野に立った食物販売戦略」これが案外「美味しい」の本質につながっているのかもしれない。

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2007年07月28日 21:31に投稿されたエントリーのページです。

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