●先日、広島県福山市にある近畿中国四国農業研究センターのオープンラボ制度を活用して、米の食味を調べてきた。かつて、私も在籍していた近畿中国四国農業研究センターは米の食味研究のメッカでもあり、特に研究所OBである堀野俊郎さんは、発芽米などの技術で特許を取得されているほか、著書も残されており有名である。
●今回は、亀井雅浩博士と川瀬眞市朗博士の技術協力および情報提供により、はじめての、食味計を利用した米の食味評価をスムーズに行うことが出来た。調査はは堀野理論に基づいて開発された、ニレコ社の米食味・品質分析計モデル6500を用いておこなった。
●ちょっとここで、この食味計の仕組みについて解説する。一般に「粘りや甘みのある米」が美味しい米と定義されています。この味の本体である呈味物質は、米粒表層から約0.2〜0.3mmのところに存在し、グルタミン酸とオリゴサッカライドが関与していると推定されている(農水省 中国農試1991)。この呈味成分は、K含量とMg含量に対応しています。つまり、K含量が少なく、Mg含量が多い米が、美味しいお米の条件の一つと言われております(堀野理論)。この米食味・品質分析計は、「反射測定方式」を採用したシステムであり、具体的にはタンパク質含量(少ない方がよい)、K含量(少ない方がよい)、M含量(多い方がよい)、アミロース含量(少ない方がよい)、ねばり(多い方がよい)、以上の5つの項目を測定した結果を総合的なポイント制で評価します。