皆さん、お待たせしました。10月1日に、近畿中国四国農業研究センターのオープンラボにこもって新米の食味調査をしたときの実験結果の発表をします。調査は、堀野の理論を応用した食味計を用いて行いましたhttp://www.jagrons.com/archives/2007/10/post_141.html。数字、数字、数字だらけの、データシートと格闘し、やっとデータをグラフにまとめ、本日の公表となりました。サンプルは、すべて津市内で採れた新米で、いろんなところで採れた、いろんな品種を集めて調べてみました。生産地や品種(4品ありました)の詳細は企業秘密です。が、一つだけオープンにします。イニシャル「R」、これは、完全無農薬栽培米「スピナチ・ガーデン・ライス」です。それでは具体的データを発表します。
1)タンパク質含量
☆タンパク質含量の高いお米は、食味が悪いことが知られていますが、標準が6%ですので、今回のサンプルの中には、極端にタンパク質含量の高いものはありませんでした。
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2)アミロース含量
☆アミロース含量が高いと米のもちもち感が少なくなります。標準が17%ですが、サンプル間で約7%の開きが認められました。
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3)粘り指数
☆粘りのない米は、ぱさぱさした食感となります。これも、サンプル間で大きな違いが認められました。
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4)K(カリウム)含量
☆カリウム含量が多いお米は食味が落ちるこが知られています(堀野、1998)。今回のサンプルは、すべて標準の0.3%を下回っていました。
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5)Mg(マグネシウム)含量
☆マグネシウム含量が多いお米は、甘くて美味しいことが知られています(堀野、1998)。今回は全て標準の0.15%を下回っていましたが、少ないものと多いものでは3倍以上の開きが認められました。
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6)食味の総合評価
☆食味の総合得点を、65〜70点未満をB、70〜75点未満をA、75〜80点未満をAA、80〜85点をAAAとランク付けした場合、今回のサンプルでは、Bランク1件(7.1%)、Aランク4件(28.6%)、AAランク5件(35.7%)、AAAランク4件(28.6%)となりました。
●総合考察
今回の、調査の結果、新米はそのほとんどが、標準を上回るAランク以上の食味となりましたが、新米でも必ずしも標準以上になるとは限らずBランクのものがあることが分かりました。今回の食味評価は、5つの品質要素を測定することで、総合的に評価しましたが、AAAランクの食味のお米であっても、@「P」のようなアミロース含量が低いことで点数の高くなるタイプ、A「O」のようなねばり指数が高くなることで点数の高くなるタイプ、B「R」のようなマグネシウム含量が高くなることで点数の高くなるタイプ、以上の3つのタイプのいずれか、または複数に属すると捉えることができます。今後、Jagronsでは、このような実験結果を蓄積することで、本当に美味しいお米づくりに役立つ情報サービスも手がけていきたいと考えております。
◎スピナチ・ガーデン・ライスは、AAAランクに属しており、アミロース含量が低く(もちもち感が高い)、Mgが多く含まれる(甘い)お米であることが今回の実験結果からも明らかになりました。この結果は、料理人伊藤良樹氏の食味結果http://www.jagrons.com/archives/jagrons/js/cat54/と同じ結果を示し、職人さんの判断と科学の判断が見事一致しました。
●スピナチ・ガーデン・ライスは、もう残り僅かですがまだ在庫がございますので、ご希望の方はお気軽にご連絡ください。
info@jagrons.com
■コメント (1)
なかなか面白いデータですね
糖度などもの比較も見たかったです
さてQRコードですが、白黒の二値化画像ですから自然画像用(?)のjpegではエッジが拡散によって甘くなり良くありません。
TIFF、GIF、PNG画像フォーマット
が良いようです、参考まで
投稿者: 土屋史紀 | 2007年10月08日 07:13
日時: 2007年10月08日 07:13