Jagrons 農業技術を追求しおいしさと健康と文化を創造する


博物館のような医院

●異なる2つの分野の融合。これによって新しいモノが生まれることがある。以前、東京に出てロックの世界で修行してきた僕の弟との会話を思い出した。「ボヘミアンラプソディー」などの名曲で日本のファンも多いイギリスのロックグループ「クイーン」。彼らはロックとオペラの融合を見事成功させて、その世界に名を残している。弟曰く、「融合して良い物とタブーなモノがある」とのこと。話題づくりのために何でも混ぜればいいと言うことではないようである。かく言う弟は、現在故郷秋田で、彼の人生で修行した「理容業」と「ロック」の2つをミックスさせて、自称「日本で一番ロックな床屋」アサヒ理容所http://www.naturalserve.com/asahiya/を経営している。
●さて、今日の本題、昨日、右耳の調子が気になって、耳鼻科に行った。行きつけの耳鼻科がなかったので、たまたま看板を見て入ったのが、三重県津市にある「大川耳鼻咽喉科」。待合室に入った瞬間、何かが違うと感じた。クラシック音楽が静かにながれているお医者さんは今までに経験がある。しかし、目の前に広がるのは数多くの蝶(チョウ)の標本。まるで博物館である。私は待合室で、我を忘れて美しい世界のアゲハチョウの標本に見入ってしまった。チョウは不思議である、光の当たる角度でその表情が大きく変わる。大学で学芸員(博物館で働くのに必要な資格)の単位を修得している私は、「少し照明の工夫を加えればこの多くの標本の資産がもっと活かされるだろうなあ」と感じながらも、見事な院内のムードが気に入ってしまったのである。「耳鼻科」と「チョウ」の見事な融合を感じさせてくれるお医者さんである。
●さて、さて、耳鼻科に行ったのは、僕が「耳から異臭がする」という、これまた変わった症状に気がついてしまったから。診察室に呼ばれて、先生に「耳から放線菌の出すようなにおいがします」と言ったら。「えっ」といった表情で「そんな専門的なこと知ってるの」「仕事柄ですか」と聞かれた。農学が専門です。とお答えしたら、「なるほど」と御納得のご様子の先生。肝心な耳の診断結果は、「特に異常なし」、ただし右耳の奥に大きな垢の塊が入っていることが分かった、このような垢に雑菌などの微生物が繁殖するのは良くあることのようである。診断後に、ちょっと勇気を出して聞いてみた。「チョウの標本は先生が収集されたモノですか」。回答は、「いえ、先代が集めたモノです。良く患者さんにチョウのことを聞かれるんですよ」とのこと。
●「医学」と「農学」共にライフサイエンス分野でありながら、まだ、あまり分野同志の連携は密接でないような気がする。言い換えれば、これから発展性のある融合分野でもあるような気がする。ほうれん草事業で基盤の確立を急ぎながらも、ブリッジビルダーとしての今後の活動の必要性を感じる今日この頃である。

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■コメント (1)

塩谷未知:

お元気そうで何よりです。また、仲間が増えたみたいで良かったですね。弟さんの理容店も面白そうですね。



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2008年05月11日 07:46に投稿されたエントリーのページです。

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