Jagrons 農業技術を追求しおいしさと健康と文化を創造する


農業生産は、速度計のない自動車やバイクに乗っているようなもの


★「農業生産は、工業のようにきっちりと思い通りに行くものではない。」そういった声が、よく生産現場から聞こえてきます。しかし、今の技術はあまりにも感覚に頼りすぎたものになっているのではないでしょうか。これまでの農業生産は、暦(こよみ)など昔からの慣わしに沿って農作業が行われてきました。しかし、近年の地球の温暖化によって、農業生産を行う環境も大きく変わりつつあるように思います。自然の中での農業生産だからこそ、工業のようには行かないのはうなずけます。しかし、そのような農業生産だからこそ、工業以上に、データ(数字)に基づく生産活動の必要があるのではないかと僕は思います。
★あるほうれん草生産者の方に以前こんなことを聞いたことを思い出しました。「ほうれん草づくりのコツを、農業改良普及所の先生から教わった際、水をあまりやらないようにとの指導を受けました。でも、先生の言いつけを守った人は、その言いつけを無視して水をやった人の半分しか収量を上げることが出来ませんでした」と。
★ちょっと、ドリフ風にたとえ話を作ってみました。「もし、バイクや自動車に速度計が付いていなかったら」・・・・時速40km制限のところで時速60kmで走ってしまうかもしれません。この場合は、20kmオーバーで警察に捕まってしまいます。同じ時速60kmで走っていても、高速道路では、渋滞ぎりぎりのスピードでちょっと遅すぎるように思います。同じスピードでもその時々の状況によって、速いとも遅いともとることが出来るのです。
★もう一つのたとえ話、石器時代とか大昔は、言葉や数字がまだ十分に使われていなかった頃、分化の伝承は見よう見まねで引き継がれていたと思われます。それが、ネアンデルタール人とクロマニヨン人の違いが、声帯の発達の違いであり、ネアンデルタール人はクロマニヨン人のように言葉をうまく発することが出来なかったので、滅んでしまったとのことをどこかで聞いたことを思い出しました。知識や技術などの文化の伝承速度が言葉を媒体とすることで飛躍的に加速するのです。
★「数字」、それは技術の世界の共通言語です。日本語よりも、中国語、中国語よりも英語、それが世界で通用しやすい言語です。しかし、もっともダイレクトで万国共通の媒体、それが数字です。
●親しくなった農家の方と、ほうれん草の移植後の水管理についてはなしたとき、同じ日本語で話していても自分の言葉が伝わらないことを直感的に感じました。そして、畑に、テンションメータhttp://www.jagrons.com/archives/2007/05/pf.htmlを持っていって、それを目安に話をすることにしました。そしたら、何のことはありません、簡単に僕の考えを相手に伝えることが出来ました。
●水やりのような農業技術について話すとき、数字を含まない話し合いは、前出のネアンデルタール人に似ています。僕は、もっと数字を活用した効率的持続的農業生産の必要性を提唱します。クロマニヨン人のようにあらなければなりません。
◆「水を多くやるように、とか、少なめにやるようにとかといった」表現は、わかりやすいようで非常にわかりにくい表現です。よく人を煙に巻く方法として、「言語明瞭意味不明」とか「多すぎず少なすぎず」といった表現を使うことがあるようですがそれにちょっと似た表現でもありますね。そうそう、頭のいい人の中には、むちゃくちゃ難解な数字を並べて煙に巻く人もいますのでご注意を・・・。真実は、そんなに複雑なものではなく、「シンプルで美しいもの」であると思います。
★僕の頭の中には、いつも5つの輪がイメージされています。これは、目の入ってない「だるま」のようなものです。僕は、ジャグロンズの活動を通して、このだるまに「数字」で書いた目を入れたいと考えています。この「だるま」に目が入ると、日本の農業だけでなく世界の農業がもっとホットなものになるはずです。僕は、そのように確信しています。

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2008年08月19日 13:57に投稿されたエントリーのページです。

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