●9月27日〜29日にかけて、三重大学(津市)で園芸学会の全国大会が開催されました。
●今回は、ジャグロンズの本拠地での開催と言うことで、私たちの活動についても発表させていただきました。
●今回の発表の目的は、これまでに積み重ねてきたジャグロンズの取り組みを整理し、内外に情報を発信すること。今回、発表を分担した弊社スタッフも、発表をすることによって、自分たちのやっている活動の内容と意義を深く理解することができたと思います。
○
●発表課題とその内容は下記の3つです。
★ほうれん草セル成型苗移植栽培実用化のための生産販売条件の抽出と技術開発
゜藤原隆広*・倉光久男*・小島 基*・亀岡孝治**
(ジャパン・アグロノミスツ(株)*,三重大生物資源学部**)
・・・ここでは、これまでの研究で積み重ねてきた技術体系を生産現場でいかに事業化にしていくかといった取り組みを紹介しました。これまでの農産物とは異なる販売先の確保が重要であることや、作る人が安心して作れる技術環境を整えることが重要であること。そのためのジャグロンズの使命は、情報という手段を使って生産者と消費者のみなさんの架け橋となる必要があることを示すと共に、これからの、農業技術実践の先駆者となるべく、大学等の研究機関の最先端技術の活用の場としての役割を果たす必要があることを発表させていただきました。
★ほうれん草に対する消費者ニーズとセル成型苗移植栽培ほうれん草の品質
藤原隆広*・゜倉光久男*・小島 基*・稲垣江梨**・岡田邦彦***
(ジャパン・アグロノミスツ(株)*,(株)エクストラコミュニケーションズ**農研機構野菜茶業研***)
・・・ここでは、三重県内のネットユーザーを中心に行ったアンケート結果によるマーケティング調査の結果と、実際に消費者が購入しているほうれん草の品質について調査した結果を発表しました。アンケートの結果、お客様は、新鮮でおいしくて栄養のある、できれば無農薬のほうれん草を望んでいることが分かりました。しかしながら、スーパーで購入するときの目安は、バラバラで、必ずしも本当にほしいものを購入できていない事実も明らかになりました。ジャグロンズの冬場のほうれん草は、市販のほうれん草よりも、甘さが2倍程度優れることだけでなく、ビタミンCが多く、有害とされる硝酸イオン濃度が極端に低く、栄養品質の面でも優れることを発表しました。また、有機栽培ほうれん草は、普通栽培ほうれん草と比較して、2倍近い値段で売られていますが、甘み、ビタミンC、硝酸含量を調べた結果、すべての項目で他のほうれん草よりも劣った事例もあり、有機栽培という栽培方法が、必ずしも消費するお客様のニーズを満たすものではないということも発表しました。ジャグロンズは、スピナチ・ガーデンで生産されるほうれん草を通して、お客様に情報というサービスを添えてよりよい商品を提供していきたいと思います。
★ほうれん草セル成型苗移植栽培におけるマルチ利用栽培技術
藤原隆広*・゜小島 基*・倉光久男*・西田 譲**
(ジャパン・アグロノミスツ(株)*,日清オイリオグループ(株)**)
・・・ここでは、夏場の栽培環境で、いかに地温を下げるかといった、技術開発に関する取り組みについて発表しました。高温期の移植栽培ほうれん草の生産では、地温の上昇をいかに抑えるかが重要です。今回は、薄型紙マルチをほうれん草生産で活用した世界で初めての事例として、その具体的効果について発表することができました。これらの結果を来年の夏場の生産に活用していけたらと思います。
○
●ちょっと気合いを入れすぎました。一度に3課題の発表は、プロの研究者だった時代(最高2課題でした)にもやったことがありませんでした。私の口頭発表は、最後でしたが、集中して一気に準備したので、終わった後は、達成感と共に疲労がどっと押し寄せてきました。昨日はいっぱい食べてよく寝ましたのでもう回復しましたが(笑)。さて、次の仕事に取りかからなければなりません。