●上記写真は、堀江(2008)より引用
●ホウレンソウに関して、よく、質問を受けることがあります。それは、「ホウレンソウの表面の白いつぶつぶは何ですか?」との質問。
●実は、この正体はつい最近明らかになったばかりなのです。
●この正体は2008年に野菜茶業研究所の堀江秀樹さんによって明らかにされました。
●堀江さんによるとこのつぶつぶ(顆粒)は直径0.1mm程度の大きさで、脂溶性の半透膜の中に90%の水分を含んだもので、その中にはシュウ酸、クエン酸、リンゴ酸などの有機酸が含まれることがわかりました。この正体、平たく言えば、「葉っぱの表面にぶら下がった有機酸の水溶液が入った水風船」だったのです。
●●(以下はちょっと難しくなるかもしれません。興味のある方は読んでください)●●
★お茶以外の畑作物は、窒素を硝酸態で吸収します。そして、体内でアンモニア態窒素に還元してからグルタミン酸(最初に合成されるアミノ酸)が合成され、このグルタミン酸を介して多くのアミノ酸が合成されるのです。(窒素同化:1次同化)
★硝酸態窒素が還元されてアンモニア態窒素になる課程で多くの水酸イオンが生成され植物体内はアルカリ性になってしまいます。これを中和するために体内で多くの有機酸が合成されると考えられています。
★そして体内で役割を果たした有機酸が顆粒として葉の表面に排出されるようです。
★ジャグロンズの「益荒男ほうれん草」にはこのつぶつぶがよく見受けられますが、これは、体内の硝酸態窒素がアミノ酸やタンパク質に代謝された結果の証拠なのかもしれません。ジャグロンズのほうれん草は、えぐみの成分であり体に良くないとされる硝酸イオン濃度が、軒並み低いのが特徴です。
http://www.jagrons.com/archives/2009/01/090124.html
http://www.jagrons.com/archives/2009/01/090123.html
●堀江さんの原著論文は、こちらをご覧ください↓
http://www.jstage.jst.go.jp/article/hrj/7/1/135/_pdf/-char/ja/