●仕事としての物づくりを継続させるには、生産コストを常に心がけなければならない。農業では、生産コスト=材料費で済ましてしまっているところがある。本当は生産コスト=材料費+人件費である。農業では人件費が無視されている。よく「人を雇用したら利益が上がらない」と言う言葉が聞かれるが、そのような状況では生産者の仕事はアルバイトと同等の仕事に過ぎない。それでは、農業経営のおもしろさが全くない。●最近は、仕事不足の中、農業に追い風が吹いているかの報道がされているが、農業で利益が上がるシステムがしっかりできあがっているかはまだ微妙なところである。今必要なのは、@農産物を直接お客様に届けるシステムを構築することと、A農業現場で働く人たちが、主体的にコスト感覚を持って仕事に取り組む環境を作ることである。●「農業現場で、のんきに農作業をして、程良く疲れてよく眠れました」そんな毎日も良いかもしれないが、葛藤や不満のない毎日に進歩はない。趣味で農業をやるのか?、農業を生業とするプロフェッショナルとして生きていくのか?農業をやるにも目的意識の違いによってその取り組み方は大きく異なる。産業としての日本の農業を背負っていくのは間違いなく後者である。●ジャグロンズで農業活動に参加してくれている仲間には、常にコスト意識を持った取り組みを期待したい。「趣味の集まり」や「仲良しクラブ」ではいけない。●私は、これからもどうしたら農業を夢の持てる仕事に出来るのかを考えて実行していきたい。そのためには常識にとらわれずにいろんなことを進んでやらなければならない。脱落者も出るかもしれないが、進んでいかなければならない。