●津市にある曹洞宗のお寺、四天王寺で、座禅をさせていただいた時の話。座禅、作務の後に庭園を眺めながら副住職とともにお茶と茶菓子を頂く。目の前にある庭園は美しく、日々移り変わる景色でもある。その美しさは、白神山地のブナの原生林の美しさとは異なるものである。庭園の美しさ、それは、適度に人の手が加えられたところにある。毎日の作務の積み重ねがあってその美しさは保たれるのである。
●5月16日〜22日までの間、参加者4人でジャグロンズブートキャンプを開催した。ハードな肉体労働とハードなミーティング、そして秘湯での癒し、この3本柱からなるブートキャンプ。4日目は、朝5時からの農作業。地域の地主さんから新しくお借りした美郷町にある異なる二つの畑(合計20アール)に、4人で畝をたてた。桑を持ってのマルチ張り土寄せ作業は久々のハードワークである。作業に当たった二つの畑は、大きく表情が異なった。一つは、耕作放棄地であり、作畝がしにくくいうえ、クワを使っての作業も非常にたまどった。なんかゴミの混ざった土をいじっているような感覚である。もう一つの畑は美しいまでの外観で、土の一粒一粒が心に何かを訴えてくるようである。なんか食べてしまえるような気がする土である。黒ボク土壌のその畑は、昨年亡くなった藤原家の本家のおじいさんが丹誠込めて耕作していた畑である。
●美しい庭園と美しい畑の共通点、それはこまめに人の手が加えられたところにある。自然と人の営み(人工)の調和。それが、この美しさの本質であろう。また一つ農業のすばらしさを発見したような気がする。