●学校教育の意義、それは、@学力を付けること(基礎学力)、Aやりたいことを見つけること(主体性)、B競い合いの環境で自分を高めること、C自分の個性を発見すること、などがあげられる。
●自分が、何がやりたいのか。何をやるべきか。それを明確に意識して生活している人(学生)は案外少ないように思う。
●自分が何をやりたいのかを意識するのは本人の心構えだけによるものではないようにも思う。生活環境や生い立ち、時代背景などの外的環境が本人の気づきを促すような気がするのである。
●たとえば僕の場合、大学に行く予定ではなかったが、無性に生物学を勉強したくなり、親の反対を押し切る形で進学した。ただし、希望の理学部は叶わず、農学部に入ることになる。理学部にはいるための勉強は、農学の分野でも大いに役立ったが、学問へのモチベーションは、少し低下していたような気がする。
●そこで、自分のモチベーションを高めるのに役立ったのが、貧乏学生という環境。僕は4条半の風呂なし2万円のアパートで暮らし、日本育英会の奨学金を活用して勉強していた。この環境が、僕のハングリー精神に火をつけた。もとを取ってやろうという気持ちでどん欲に勉学に勤しんだことがかつての職業研究者の道を開いたように思う。
●あの当時の一人暮らしは、自分と正面から向かい合う良い機会であった。一人暮らしの中で、僕は主体的人生の第一歩を踏み出すことが出来たような気がする。日々の生活の中で、自分のやりたいことが見つかることっていうのはすごく幸せなことだと思う。
●子供たちの教育の中では、個々にやりたいことを見つけるための手助けをしてあげること。それが、学校教育のなかでの一番大切なことのようにも思う。
●母親は、子供のことを考える際、学力を気にする傾向が強いように思う。しかし、誉められるための勉強は子供にとってそんなに良いものではないように思う。主体的に学ぶ姿勢を身につけさせるためには、やりたいことを見つけることが一番だと思う。子供が何になりたいのかを見つけるきっかけになるのは良くも悪くも父親の存在であるような気がする。