Jagrons 農業技術を追求しおいしさと健康と文化を創造する


八百屋さんの矛盾

●築地の市場に行って、何人かの八百屋さんとお話をする機会を得た。そこで、一つ分かったことがある。長年商売として野菜を売っている社長さんが次のようにおっしゃった。「ほうれん草は見た目が大切」見た目が良いものが売れるんだよ。「でも、おいしくないけどね」。築地青果市場出身の倉光も言う「八百屋さんが売るホウレンソウと家に持って帰るほうれん草は違うんだよ」
●それが業界の常識のようだ。しかし、ボクに言わせればそれは「非常識」である。なぜ、そのことをお客様に伝えようとしないのか?お客さんはおいしいほうれん草が欲しいはず。単に、業界の怠慢なのではないか?短期的展望で言えば、野菜が売れればそれで良いのかもしれない。しかし、野菜を売ることの意味や社会に対する貢献を考えたら、僕はそれで良いとは思わない。
●ジャグロンズの営業は、単にほうれん草を売ることだけを目的とするものではない。実際に食べるお客様が何を求めているかを知ることと、益荒男ほうれん草の存在を知ってもらうための活動である。私たちの益荒男ほうれん草は、食べる人に最高の満足を感じていただくために手間暇かけて作っている。その代わり、流通、小売業のお客様のためにこれまで取ってきた手間暇の行程を徹底的に排除している。
●頭を使って真剣にモノづくりに取り組んでいる生産者はほうれん草の品質を一番良く知っている。従来の流通サイドの価値観を生産現場に持ち込む農業生産は、エンドユーザー受益の視点からすると時代遅れである。
●ちょっと、流通業のみなさんに対して、毒づき過ぎたかもしれないが、八百屋さんを否定しているのではない。たしかに昨年度までは否定的であった。しかし、昨年度出会った、百匠ネットの伊藤社長と出会ったことで私の市場に対するものの考え方は変わった。常に情報を取り入れ進化しようとする八百屋さんは生産者の味方である。そう感じたことを契機に私は、全国の市場をまわることにした。そして、東京市場第1弾が今回の築地市場であった。築地市場をまわって改めて分かったこと。それは、現ジャグロンズの倉光君が残した功績である。築地の市場には今でも彼を懐かしむお客様が沢山いた。今回の私の強力なブレーンとして僕をコントロールしてくれた倉光久男君には感謝している。

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2009年12月12日 20:42に投稿されたエントリーのページです。

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