●実は、レストラン様などの食材として人気の「夏の益荒男ほうれん草」。肉厚でがっしりとした外観が特徴です。●今年で、4年目を迎える秋田美郷町での夏のほうれん草作り。昨年まで、夏のほうれん草は、化成肥料主体の施肥管理で生産に取り組んできました。しかし、7月のフザリウム菌の発生で作柄が不安定になり、長年お世話になった大口のお客様を失うなどの残念な出来事がありました。●これを契機に、土の微生物の多様化の必要性を痛感しました。今回は、10aあたり、完熟堆肥1.5t、カニ殻有機資材150kg、有機入り化成120kg、粒状苦土石灰150kgを施用しました。有機物を多く使用する栽培には、省力化、低コスト化、農薬使用量の削減などの可能性が見え隠れします。野菜作りでは、「3年目の壁」が存在します。3年でころころと作付け品目を変えてしまう人は何をやっても3年です。しかし、この「壁」を越えたところに本当の農業の喜びが存在します。私は、昨年、25年間ほうれん草専作で作り続けてる方にお会いして思うところがありました(この方は、1年で1cm土が増えているのでした。)。研究所では明らかにされていない何かが、生産現場でちらり、ちらりと見え隠れしているのです。●私たちは、化学肥料を否定しません。適切に使用すればおいしくて高品質の野菜が作れるからです。「化学肥料」「有機質肥料(堆肥も含む)」はそれぞれまったく違った特性を持ちます。それぞれの特徴をきちっと理解して使うことで本当においしい野菜が作れるのです。
↑散布した有機質資材は、クリープというモードでトラクターをゆっくり走らせ、高速回転ロータリーで細かくした土に均一に混和します。このような土作りの積み重ねが大事なのです。