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「科学的農業」のための「演繹法」と「帰納法」

●科学的農業を実践するための考え方として、演繹法的方法と帰納法的方法がある。●前者は、水田でのほうれん草づくりを可能にした「益荒男ほうれん草」を作るに当たって採用した方法であり、大前提「根が浅く張ると湿害を受けにくい」、小前提「移植栽培では根が浅く張る」、結論「移植栽培では湿害を受けにくい」といった具合の3段論法的結論の導き方をベースにした技術である。●一方、後者は、ほうれん草生産現場での土づくりに関する事象の把握で用いることができる。個々の事象「有機物を使った土づくりをしているAさんのほうれん草ハウスでは、連作障害がでなかった。有機物を使った土づくりをしているBさんのほうれん草ハウスでは、連作障害がでなかった。有機物を使った土づくりをしているCさんのほうれん草ハウスでは、連作障害がでなかった。」因果関係(本質的結合関係)「有機物を使った土づくりをしているほうれん草ハウスでは、連作障害がでなかった。」結論「有機物を使った土づくりをしているほうれん草ハウスでは、連作障害がでない。」といったような具合。●この2つの考え方が、科学的農法を実践する上で重要である。今、私が取り組んでいる農業生産事業では、はじめのコア技術を演繹法的手法で組み立てて、多くの事例として実践することで帰納法的手法に落とし込んで再現性を高めていく(ブラッシュアップ)手法である。いくら理論的に完璧でも、現場でそれが具現化しなければ実業の場では意味がない。科学的農業の実践においては、理論と実践の両方が大切である。

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2011年01月06日 20:17に投稿されたエントリーのページです。

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