●栽培期間中に窒素養分が切れると、枝豆の色が山吹色になります。生産者は、このことを気にして、なるべく肥料を切らさないように栽培管理します。しかし、野菜は、山吹色の方がおいしい場合もあることを私は経験的に知っています。たとえば、益荒男ほうれん草「ゴールデン」タイプ。茹でる前は、山吹色ですが、火を通すと食欲をそそる鮮やかな緑色になるのです。
●さて枝豆はどうでしょうか?エダマメはほとんど茹でて食べるので、茹でた際に緑色が濃くなれば良いのですが、、、早速、確かめてみることにしました。
●7月15日、知り合いのエダマメ関係者から入手した秋田県産エダマメ(当日収穫のもの)の外観を撮影し、沸騰したお湯で2分間茹でました(その後、冷水で冷却)。葉緑素計(ミノルタSPAD-502)を用いて豆の皮(莢)を計測してみました(n=5)。
●調査結果は、以下の通り。
★外観:明らかに緑色が鮮やかになりました。特に、中の枝豆の色が緑が濃くなりました。
★SPAD値:僅かに数値が高くなりました。
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◆考察:調理時のエダマメの莢色は、野菜としてのエダマメの品質の大きな形質の一つである。
黄色い莢は、古くなって品質が低下した場合によく認められるが、新鮮なものでも莢の色が薄く山吹色をしたものが観られる。今回は、そういった莢の色が薄いエダマメを茹で処理した結果、莢の色が明らかに鮮やかになった。今回の調査では、収穫後間もないエダマメで、莢色がSPAD値で10程度であれば、茹でることで莢色が鮮やかになることを確認した。SPAD値が10以下の場合は莢色が戻らない可能性もあるので、今後調査を進めてゆきたい。