二戸さん曰く、
●稲作における、施肥管理は、「V字型」と「への字型」に分けられるが、これら2つの施肥管理によって2つのタイプの成長曲線を見ることが出来る。即ち、「前半逃げ切り型」の生育曲線と「後半追い上げ型」の生育曲線。
●前半逃げ切り型の成長曲線の特徴は、茎数を多く確保することが出来るが、ともすればその多くが無効分けつの茎となる可能性があり施肥効果が収量に結びつかない(肥料代の無駄)ことになりかねない。これに対して、後半逃げ切り型の成長曲線の場合、収量を確保するのに必要な最小限の肥料を適期に与えることでゆっくりじっくり茎数が増えるため、茎が太く収量性の高い株となる。
●なお、V字型肥培管理による前半逃げ切り型の生栽培管理は、密植栽培に向いた管理方法であり、への字型肥培管理による後半追い上げ型の栽培管理は、粗植栽培に向いた管理方法である。
●以上のような基本原理を理解し、その土地の気候や栽培する品種の特性を吟味した上で、米作りを実践することで、無駄が少なく経済的で理論的な米づくりが出来る。