●1996年〜2007年の間、私は研究論文を書く仕事をしていた。
●新しい価値を生み出すのには、エネルギーがいる。いつもいつもテーマについて同じことを考える。そして、行き詰まったたら、ちょっと気分転換。そうして、仮説を立て、データを収集し、そして、そのデータをグラフや表に「見える化」して、その、見える化したデータに詳細な考察を加えていく醍醐味が、研究という仕事にはあった。
●さて、そのときの生活のリズムについて振り返ってみると、とにかく1人前になるには、深夜までしぶとく実験をしたり参考論文を読んで情報を整理したり、一生懸命であった。夜遅く、朝は、8時半に出勤。あまり根を詰めてやると、よく、朝の便通の回数が多くなったものだ。
●慣れない仕事は、はじめは大変だが、3年位一生懸命やっているとある程度の展望が開けてくるものだ。はじめは、人にバカにされるのが嫌で一生懸命やっていた仕事も、味を占めると、徹夜モードでガンガン仕事を進めるのが私のスタイルであった。1番かけて一気に書き下ろし、数日おいてからまた読み返して改正を加える。徹夜すると、次の日は午前中テンションが高く、午後は一気にお疲れモードである。
●一見、生活のリズムが乱れているようであるが、リズムはあった。ただし、他の人と違うだけけである。12年の間に、学会発表40回以上、トップネームで20報近くの原著論文を書いていたころには、藤原はいつ寝ているのかと言われたこともあった(ちゃんと寝ていた)。が、そのころ仕事に夢中になったことが、良くも悪くも、現在の仕事を始めるきっかけとなったことは事実である。
●こんな、研究人生のあとに、いきなり、素人で農業経営分野に飛び込むから、家族にとってはたまったものではない、かつての妻は、小さな息子2人をつれて去っていった。
●息子たちのいない生活は、生活の物理的リズムだけでなく、メンタル的なリズムを大きく乱した。それでも、私は自分の仕事を誇りを持って続けられているのは、企業後に知り合った、多くの経営者の皆さんや多くのスタッフに恵まれたからである。