●昔サラリーマンだった頃、職場には二人の虎がいた。酒を飲むと豹変する虎である。1匹は直接私にかみつくことはなかったが、もう一匹は、佳境にはいるといつもかみついてくる。私は、いつもかまれるのがうんざりであった。そこで、虎退治を考えた。しらふの状態のその人に、「あれはあんまりですよひどいじゃないですか?」そうただした。そしたら、全く覚えていない、悪かったとの回答。素直に謝ってくれた。そしてその後は、酒を飲んでも気をつけて接してくれるようになった。というか、覚えていないのならばと私も酔った虎に、びしばし鞭を入れるようになったのだ。
●人は、知らないうちに、他の人を傷つけることがある。それは、無意識のうちに、やってしまう。以前、足癖の悪い人の話を書いたが、足癖の悪い本人から抗議を頂いた。しかし、いかなる理由があろうとも、ものを壊す行為は絶対に許されるものではない。言っておくが、その人が悪いのではない、その行為が悪いのである。これまで何度も注意したが、抗議すること自体自分の問題点に気付いていない証拠。それはその人が悪いのではない、その人が良くなるマージンがあるということである。人の癖は、そう簡単に直るものではないが、私に正当な理由がなく、かみつくような行為をしても、それが虎にとってどれだけ無駄なことなのかを、ペンの鞭で調教していきたいと考えている。ただし、相手に正当な理由があり文章で示すことができるようならば、この限りではない。単なる、私のペンの鞭による「暴力」である。