●だいぶ前に、「干物(ひもの)」と「刺身(さしみ)」というブログを書いた。http://www.jagrons.com/archives/2008/09/post_363.html
●最近思うことがある。私は、夢中になると、一直線に話し出す。私が話す場合には、2通りの会話のスタイルがある。一つは結論が分かって話す男性的会話、もう一つは、考えながら話す女性的会話である。前者は、一度文章に表したことのある内容を話す場合のスタイル。そうして後者は、新しいものを生み出す場合の会話のスタイルである。会話しながら自分の意見をまとめているのである。
●私の会話では通常後者のスタイルの場合が多い、しかし、このスタイルには大きな弱点がある。話が、暴走状態になり、糸が切れた凧のように、話が、ずっと遠くにそれていってしまうことが多いのである。なので、元来、私のようなものには、商談のような会話は向かない。
●今書いているブログのように、文字に表す行為を身につけたのには、2つの大きな転機があったように思う。一つは、予備校(代々木ゼミナール仙台校)時代、チューターであった繁泉裕幸先生から、ワンツーマンで直々に小論文の指導を受けたことである。そして最も大きいもう一つは、農林水産省に入省し研究所で上司の吉岡宏さん(元野菜茶業研究所所長+農学博士+1級技術士(農業)であるすごい人)の指導を受けたこと。
●私は、2つの大きな転機を機会に努力して文章を書き記すことを身につけた。そうして、研究者というプロの物書きとして十二年間を生きた1シーンを私の人生史に残すことができたのである。ものを書くことを覚え実践することは、手に職を付けると同じくらい価値のあることである。
●さて、この物書き作業が、将来の私にとって大きな財産になるような気がする。このブログを書くという行為が刺身から干物への変換作業であり、自分の考えを客観視する良い機会だからである。一度干物(文章)にしたものは、刺身(講演)のベースになるし、論点もぶれにくい。
●2012年は、ブログの更新が少ない一年であったが、自分の考えを理解できない自分が、他人(社員も含め)に自分の考えを理解させることができるわけがない。だから、2013年は、自分の考えを整理してわかりやすく秩序立てるために物書きを始めたのかもしれない。