★ジャグロンズ農業技術情報2014−02★
◆良い苗を作るためのセル成型苗育苗のコツ◆
●先日(2014年10月)に、広島の河野農園と岡山の株式会社サンナン農業事業部さんにお伺いして、野菜の苗の育苗状況を見せていただいた時に感じたことをまとめてみたい。
●セル成型苗の仕組みは、種子から一番先に伸びた根(主根)が、セル(小さなポット)の下の穴から突き出し空気に触れることで枯れる「エアプルーニング」という現象によって側根の身長が促され、伸長することで根鉢を形成することを利用したシステムである。根鉢形成の恩恵は、@機械化適応性などのハンドリング性の向上、A苗の生育の斉一化、である。
●発芽管理を終えた苗は、速やかに底面給水して水分むらをなくすことで均一な苗立ちを得ることができるが、多くの現場で見られるのがトレイの地面へのベタ置きである。先日の、広島や岡山の生産現場でも土の上やコンクリート舗装の上へのベタ置きが認められた。過去には、群馬県や神奈川県でも同様の管理現場に遭遇したことがある。いずれも、セル苗育苗経験の浅い生産者の犯しやすい過ちであり、苗の生育が不揃いになったり、根鉢形成不十分による植え傷みしやすい苗に仕上がってしまうことが多い。また、土壌病害にも侵されやすくなる。
●芽出し作業後の底面給水を終えたあとの設置場所については、次の2つのことを守っていただきたい。雨よけハウスであること、そして最低でも3〜5p地べたから浮かして置くことである。この2つを達成できて初めてセル成型苗育苗という土俵に立ったことになるのである。