Jagrons 農業技術を追求しおいしさと健康と文化を創造する

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初めましてJagronsの藤原隆広です。


 初めまして、ジャパン・アグロノミスツ(通称ジャグロンズ)の代表アグロノミスト藤原隆広です。よろしくお願いします。
私は、2006年秋に三重県津市にて就農し、研究所時代に取り組んできた、セル成型苗を利用したほうれん草の移植栽培を始めました。
 ここで、ちょっとそれまでのいきさつを紹介させていただきます。研究所で開発される技術は、技術論文までは、研究者の力量で完成させることが出来ますが、農学の様な応用科学は実際の産業の現場で活用されて初めて役に立ちます。わたしも5年間の国家プロジェクトに関わり、ほうれん草の移植栽培に関する研究を重ね、3報の学術論文を著しました。1つの論文にかかったコストは、人件費研究費等を勘案するとおおざっぱに1千万円くらいになります。これが高いか安いかは技術が利用されるか否かにかかっております。図書館にあるだけならば、10ページ弱で非常に高いと感じる方が多いでしょう。お金のムダ使いだと感じる方さえいらっしゃるかもしれません。これに対して、研究成果が産業技術として活用されて年間数千万の利益を上げ、雇用の創出が出来たならば研究への投資は安いといえるでしょう。わたしは後者のようでなければならないと思うのです。しかし、研究現場と生産現場の間には大きな隔たりがあるのも事実です。ここに橋を架ける必要があるのです。
 私の研究所時代は、「科学」「技術」の架け橋を意識した技術開発思考の研究を進めてきました。12年の研究者生活を経て、次は、「技術」「産業」への活用を意識した事業展開をすることを決意しました。栽培学の研究者は3〜5年間隔で転勤することが多いのですが、一つのテーマでせいぜい論文数報を書ければ良い方で、技術の開発に携わった人がその技術の普及まで見届けることはなかなかありませんし、研究テーマも転勤に伴い変えなければならないのが現状です。そこで、私たちJagronsは、研究分野で生まれた「卵」を「ふ化」させる役割を担うのが、研究所出身者の農業実践者の責務だと考え、積極的に新しい技術の実践に取り組んでいくことで意見が一致しました。
 今年の新技術の実践は、2つの柱によりなります。一つは、セル成型苗を活用したほうれん草移植栽培の実践。もう一つは、再生紙マルチシートを利用した水稲の直播栽培技術の実践です。前者は主に、わたしが担当し、後者は、アグロノミストの淺生建司が担当します。世の中がびっくりするようなことを色々と仕掛けていきたいと思います。今後の進展を見守って頂けたら幸いです。