◆トラクターなどファーム*ジャグロンズ「兎農園」の農業機械は常に「プロボクサーのストレートパンチ」級のショックと戦っている。それは、主に美郷町六郷東根地区に多い大きな「石」によるもの。

◆畝たてマルチトラクターなど、ロータリー耕運を伴う作業機は、常に「パンチドランカー」と背中合わせの状態にある。

◆今回も、普通ありえない22mの大きなボルトの緩みが見つかった。このまま作業をすると大きな事故につながる。重大な発見であった。重大インシデントである。

◆今回のインシデントに至った経緯は、次の通り。ロータリー爪が緩んだときに発する音を察知し、実際に爪の緩みをチェックしたところ、全く緩みは確認されなかった。なぜ、爪が緩んでいないのに音が出るのか?。ロータリーをゆっくり回してみると、左側の爪先が接触するはずのない培土板に接触しているではないか。これにより、トラクターのロータリーと畝たて作業機を連結しているボルトの緩みが発覚、問題のボルトを締めなおすことで大事には至らなかった。

◆今回は、畝たてマルチ専用機2号(かなり古い中古で購入したヤンマーke3D)で見つかったインシデントであるが、過去に重大なアクシデントにつながったことがある。それは2年前のこと、畝たてマルチ専用機1号(新車で購入のクボタBJ13)で、まさに同様の役割を果たす部品が外れて紛失、作業機は故障。5月の連休で部品が手に入らず一週間以上作業ができないトラブルに見舞われた。実際は、かかり付けの鉄工所で、部品をワンオフで作ってもらい数日で強制的に作業を復帰させたのだが、あれには参った。また、あのときに1台しか作業機を持ち合わせていないことの危うさを知った。

◆私たちオペレータは、常に作業機の音に耳を澄ましている。ぼけっと作業していてはプロ失格なのだ。しかし、それは常に緊張状態で向き合うべきものではない。リラックスしてことにあたらなければならない。β波が出る状態ではなく、α波が出る環境で仕事しなければならない。そんな、仕事の中に、何かパズル的、間違い探し的な、知的好奇心を満たす要素が潜んでいる。

◆農業は単純作業の繰り返しである。しかし、同じ作業の繰り返しではない。天候や対象作物の生育過程などにより毎回微妙に作業結果のニュアンスが異なる。奥深いものなのだ。

☆↑一見ボーっと見ただけでは判らないが、このボルトとナットの緩みが「重大インシデント」。かなりガタついている。プロとして、これを見逃すと「ボーっと生きてんじゃねえよ!」とチコちゃんに叱られる。