◆私の夏の活動拠点、秋田県美郷町六郷東根地区。おそらく、ここは世界有数の石あり地帯だ。

◆1896年の陸羽地震(M7.2)の震源地である六郷東根地区。

◆今もなお年間8mmずれているという活断層(逆断層)以西に広がる扇状地の扇頂から扇央にかけては、太古の昔に川が流れて、形成された地形だ。石はいずれも角が取れた漬物石にちょうどいい大きさの硬い石がごろごろ出てくる。

◆これまでの石に対する一般的な対処方法は、①ストーンピッカーで取り除く方法、②ストーンクラッシャーで砕石する方法、以上の2通りのいずれかの方法が考えられた。

◆ストーンピッカーで取り除く方法の長所は、石を畑から完全に除去できること。一方の短所は、土の量が減ってしまうことだ。

◆もう一つのストーンクラッシャーで砕石する方法は、長所は土の量が減らないこと、短所は巨大なトラクターとかなり高価な作業機が必要なことだ。

◆ストーンクラッシャーを用いる方法については、実際の用いた現場の声を聞くことが出来たので紹介したい。「細かくなった石は、雨が降って固まると、土が締まって耕起するのも難しいくらいにがちがちになってしまう」ということ。石の比率が高い圃場は、どうしてもこのようにがちがちになってしまうようだ。

◆ストーンクラッシャー自身はもともと、土建会社などが、アスファルトやコンクリートの再生で用いるもので、固定式で利用されてきた。それをトラクターでやろうとするのが最近の新しいやり方だ。しかし、すべての石を砕石して土に返すということ自体、問題のある方法である。

◆このような現状を鑑みると、一定以上の大きさの石は、ストーンピッカーで取り除くことが賢明であると考える。その上で、小さめの石は、ストーンクラッシャーで砕石する。

◆ストーンピッカーで集めた石は、土建会社の固定式のストーンピッカーで砕石した後に道路やコンクリートの基材として採用すれば、より役に立つ資源になる。

◆大きい石は闇雲に砕石して土に混ぜるだけでなく積極的に採取して、別の現場で有効活用する。そうして残された、小さい石のみトラクターのストーンクラッシャで砕石して土に返す。これが、私の考える最善の策だ。

◆ゴロゴロ、ゴロゴロ、ゴーロゴロ!!

◆今日のお仕事朝六時、古い巨木の切り株引きぬいた。

◆帰りの畑で石集め。集めた石は、アプローチアングルへガラガラドーン。

◆今日もやったぜ石集め。

◆今日の午後からの相棒は、単気筒ヤンマーエンジンを積んだコンパクトユンボウ、名づけて「ディッグマン伊東」(ベンジャミン伊東のオマージュです)

◆燃料は満タン。エンジンオイルも新品に交換して、いざ出陣!!

◆今日は溝穴を掘った掘った掘った掘った掘った。

◆先ずは、六郷東根地区の関田圃場。石が多すぎる。というか、石を売って商売できそうなくらい、出るわ出るわ出るわ。角の丸い石ばかり、おそらく、太古の昔に山の上から転がってきたのだろう。まさにロックンロールだ。お昼すぎから2時間で50〜60cmの深さの溝を約100m掘った。

◆次は十数キロ離れた、大仙市下深井圃場に移動。石は一つもない。しかし、20センチほど掘るとその下は、強烈な粘土、粘土、粘土、これでもかーというくらいの粘土だ。信楽焼の土(この近くだと楢岡焼というのが有名)として、売れそうなくらい、いい粘土だ(一応、私は陶芸経験者)。

◆しまった、バケットに粘土が張り付いて取れなくなってしまった。もう仕事はこれで終わり、ゲームオーバーだ。こちらは、100m掘るのに3時間近くかかってしまった。

◆ある晴れた~昼下がり~市場へ続く道~♪、、、、ドナドナドナ~ドーナ♪

◆3年前までの作業体系の中で、中心的な役割を果たし、大活躍してきた白塗りの兎トラクタークボタL2201DTフォークローダー仕様(白兎4号:しろうさぎよんごう)が、引退した。

◆昭和の仮面ライダーでは仮面ライダーxに相当する白兎4号。元々はオレンジ色のトラクター。ジャグロンズの秘密のガレージで白く塗られて白兎4号として生まれ変わった。

◆エダマメ脱莢作業後の残渣数トンを一気にトラックに積み込む作業で大活躍した。兎農園での白兎4号の果たした役割は大きい。

◆この2年間は、松元式収穫機ヴァリアント号の導入によりめっきり出番が減っていた白兎4号。イチローと一緒の時期に引退を決意したようだ。

◆すでに、白兎1号と2号(仮面ライダー1号、2号に相当)はドナドナになっている。ジャグロンズの秘密のガレージで生まれた白兎号は4機、残るは白兎3号(仮面ライダーV3に相当)のみになってしまった。

◆エンジンはまだまだいけるが、足腰が弱った白兎4号。長野県の松本から来た、中国ハルピン出身の張さん親子に引き取られていった。

◆解体されて海外に行っても、ジャグロンズスピリッツを忘れずに元気で活躍してくれ。さようなら白兎4号!!(涙)

◆♂ かわいい子牛 売られて行くよ~

悲しそ~うなひとみで 見ているよ

ドナドナドナ~ドーナ♪

◆ファーム*ジャグロンズ「兎農園」夏の陣 in 秋田県美郷町

◆春先の仕事はひたすら耕起。相棒はマッセイファーガソンMF4235

◆イングランドのコベントリー工場で2000年に生産されたセミクラシックトラクターだ。

◆75馬力に220のロータリーを装着、一発で畑を耕起、畝たてマルチ作業につなげる。

◆シーズン前にエアコンの保守点検修理を済ませて、馬75頭分のパワーを従えて、さあ出動だ!!

 

◆三重から持ってきた苗がちょうど良くなったので事務所わきの圃場に定植した。もちろんジャグロンズオリジナル移植機「センジュキャノン(エダマメ仕様)」を活用しての農作業だ。

◆今年は、栽培様式を変えるチェレンジングな取り組みを行う。株間15センチ2条植えから、株間30センチ3条植えへの変更だ。

◆これによって、去年までは約6,400株/10a、だったのが、今年は4,800株/10aと昨年比25%減の75%になる。

◆ちなみに、エダマメの産地である岐阜市の標準再栽植株数が10,000株だから、ジャグロンズの今年の栽植本数は、岐阜市の半分以下ということになる。

◆栽植本数は半分以下だが、収量は75%以上を確保する。これが私たちの狙いだ。

◆もうひとつ、半自動移植機の1ストロークの植え付け本数を4本から3本にし、オペレーターを2オペから1オペに変更する。移植機を2人で1台から、1人一台にすることで、植え付け本数で75%となった作業効率を150%まで高めるのだ。2オペから1オペシステムの導入に当たっては、秘密パーツの「バンブーバー」の装着によりほとんど負荷を高めることなく作業が可能になる。

◆ただし、1オペの問題点は、傾斜圃場では、オペレーターの負担が大きすぎるため2オペに変更する。将来的には自走式移植機を導入予定。

☆以上が、「世界でただひとつの栽培システム」ジャグロンズ農法エダマメ編の1側面の紹介だ。

★動画もあるよ!!https://youtu.be/46HadYmUPLE

 

 

◆in 秋田県美郷町「兎農園」。今年も始まったジャグロンズエダマメ生産「夏の陣」

◆三重から輸送してきたヤンマートラクターベースの自走式ライムソワー&鶏糞散布機で圃場にラインを引きながら施肥。

◆そして、おサルのやんぼうが「畝たて同時マルチング」作業を遂行。

◆最後に「マメトラスコッパー」で、マルチの上に土をかぶせてあっという間に作業完了。

◆後は苗を植えるだけだ。

◆秋田県美郷町、ファーム*ジャグロンズ兎農園の育苗ハウスで使用する井戸ポンプの調子が悪い。早速原因究明と対策を講じることにした。

◆まず、井戸の水位の状況を調べた。手掘りの井戸で深さは8メートルほどあり、地下7メートルほどの高さから、1メートルほど水がたまっている。鉄分が検出されないので、たまっているというよりは流れているといったほうが表現が適切である。

◆目に見えない井戸の深さを知るには、釣りの経験が役に立つ。黄色いミズイトの先に水を3分の1ほどいいれた300ccのペットボトルをつけて釣りの浮きのように水面に落としたところまでの糸の長さ(a)を図る。そして、今度は錘をつけて、着水後糸のテンションが緩むところの糸の長さ(b)を計る。aが地下水位、水深(c)は(b-a)だ。

◆いろいろ考えた後、ポンプの付加を軽減する逆支弁の装着をしてみた。しかし今度は呼び水が入れられないことが発覚。これは途中に「チーズ」を組み込むことで呼び水を簡単に入れられるようにした。しかし、まだ水が汲み上がらない。

◆そこで、ポンプをじっくり見つめることにした。そして、モーターでまわしているフィンという部品を見るために3本のねじを開けることにした。このとき、ねじがゆるいように感じた。フィンは問題ない。やはりパッキンか?パッキンをよく見てみると丸いはずのパッキンゴムの断面が三角になっている。

◆結果、パッキンを換えることに。そして電源ON。勢い良く水が汲みあがった。合計5千円以上かかりましたが、ポンプのフィンカバーのパッキンは153円。経験値のなさから5千以上のコストをかけてしまったが、次回からは1000円以下で直すことが出来そうだ。

 

 

 

 

 

◆秋田県美郷町にあるファーム*ジャグロンズ「兎農園」の農地の一角に育苗ハウス3号棟を作った。創業当時は何度も自分で建てたビニルハウス。

◆今回の大きさの農業用のビニルハウスは、材料費と建設工賃合わせて、30~40万円が相場だが、建設人件費が半分ほどなのと、部材組み立てキットは、実用上不要なものも多く含まれることから、今回は部材の選定と建設作業を自前で行い、3分の1程度のコストで完成させた。

自分でビニルハウスを立てることが出来るということは農業経営上の大きなアドバンテージになる。段取りよく、熟練したチーム3名いれば、6時間程度で完成させることが出来ると見積もったが、今回はブランクが長かったこともあって、私の経験値の低下もあり、その結果、1日/3人ほどかかってしまった。

◆この育苗ハウス、あくまでも、すぐに解体できることを意識して作っている。だから、土へのパイプの差込深さも30センチ。突風や台風にはむちゃくちゃ弱い構造だ。三重県では春一番ですぐにノックアウトになる構造。まさに、ビニルパイプ界の「アネハ構造」。だがしかし、このハウスのコンセプトは、キャンプのテントに近いものだ。私たちは、4月下旬から5月いっぱいで苗作りのミッションを終了した後は、ビニルを剥ぎ取る、そうすれば難なく夏から秋の台風による被害をかわすことが出来るのだ。

※↑アーチパイプの幅は、西日本仕様の50センチ(メートル規格)を採用。(地元の規格は45cmの尺規格)。パイプ直径は22mmに統一。

※↑苗置き台は2mの規格品の木材に、直径19mmパイプ3.6m規格品56本で、ぴったり収まる。ここは、水害の心配がないので、作業性重視で、モルタルレンガを50個使用して1.5m間隔で配置。ここからは良く見えないが、1本おきに、木材にコーススレットビスを逆ハの字に打ち込むことで、フック機能をもたせ、パイプが転がらないようにするのが、ジャグロンズ流のオリジナル仕様だ。去年の簡易パイプよりも格段に進歩した。去年のハウスはこちらを参照ください。→http://jagrons.com/2018/04/13/1049/

※↑15m×5.4mの3号育苗ハウス。収容可能苗はトレイ数で336枚。約4万3千本のエダマメの苗を収容することが出来る。ジャグロンズの技術は日々進歩している。

 

 

◆三重県産松阪牛(まつさかうし)は、子牛を兵庫県産の子牛(但馬牛)を松阪で育てて(肥育という)生まれることをご存知だろうか。

◆子供のころ、巣から落ちてきたツバメやスズメの雛を拾ったことがあるだろうか?予備知識なくしてあれを育てるのは大変難しい。

◆さて、今年は、三重県のほうれん草を早めに切り上げ、枝豆の生産に力を注ぐため、3週間ほど早く秋田に北上した。毎年何か新しい試みにチャレンジするのがジャグロンズ流。

◆今年は、三重県で枝豆の種をまき、ある程度まで育てて、トラックで陸送した。そしてこれを秋田県の農場で定植する形で、松阪牛のような秋田県産の枝豆「美郷のうさぎ」(秋田県内流通ブランド)と「月兎豆」(県外向け産地直送ブランド)を生産する。

◆それともうひとつ、今年の春から、研修生スタッフの淡路卓斗君が、4年余りの研修を終え故郷秋田県能代市二ツ井に農業の会社を設立し、独立の1歩を踏み出した。

◆淡路君は、18歳まで秋田県で育ち、東京で4年間生活した。その後、ジャグロンズの門をたたいて4年間、三重県津市に拠点を置きながらも三重県と秋田県を2対1の比率の期間で往復する「渡り鳥農業」の現場で頑張りました。

◆淡路君は、生まれ故郷に、8年ぶりに帰り、両親はじめ、親類の協力も得て、これから経営者への第一歩を踏み出す。研修生を、ふるさと、そしてご両親の元へ還すことが出来て本当によかった。

◆日本の農業の未来を担う農業の担い手を育てるということは、私にとって、落ちた小鳥の雛を育てることに等しいくらい難しいことだった。私は、過去に2回、「雛を育てる」ことに失敗しているからだ。過去の失敗の轍を踏みたくないといった気持ちから、ジャグロンズでの、研修生の受け入れは、成人であっても、両親の賛成または同意、結婚している場合は配偶者の同意を得ることを必要条件としている。

◆この4年間で、何とか雛を羽ばたける寸前まで育てて、進むべき「群れ」の中に還してやったようなすがすがしさを感じている。私も研修生も、共に、研修生のご両親の理解なくしては成立しなかった。あらためて、淡路君のご両親に感謝したい。

◆私は、3人目の新卒研修生を農業者としての「子牛」または「苗」として、ジャグロンズの生産現場で育てて、農業経営者へのきっかけを作ることが出来た。しかし、これまでのことを振り返ると。農業経営者は、誰かに育ててもらうようなものではないように思う。

◆人間、なるようにしかならない。研修生個人の能力と強い意志があって、初めて私たちはそれをサポートできるのだ。神宮のような神聖な場所には何かがあるというが、むしろそこには何もないような気がする。それはむしろ白いキャンバスに似ている。それぞれの経営者が、創造力を発揮して「白いキャンバス」に自分の絵を描いて行くしかない。

◆淡路君もこれまでよく頑張った。これからは、「絵を描く」ことを楽しんでほしい。思い通りにいかないことがあってもそれはチャンスだ。精一杯「もがいて」ほしい。もがかない人に手を差し伸べてくれる人はいないし、協力してくれる人もいない。もがいてもがいて、そして、自分自身で成長していってほしい。

◆秋田県の冬は私たちが得意とする土地利用型農業には不向きなため、淡路君は「成鳥」として、秋からまた三重の「安濃津農園」でのほうれん草作りに合流することになっている。「2匹目の渡り鳥」の誕生。秋からは、また違った関係で新しい試みに挑戦していきたいと考えている。

※↑秋田県仙北郡美郷町の東部に位置する真昼岳(2019年4月19日撮影)