■拝啓 藤原雅仁様 2021年1月8日のコラムに関してフェイスブック上でご質問いただいた件についてお応えさせて頂きます。
■Q:益荒男ほうれん草の5★(ファイブ*スター)の出荷形態についてのご質問
 A:12番のボードン袋に太陽製のVF-800を用いて袋詰めします。写真をご参照ください。
■Q:マルチの上の土が、収穫時の泥はねに及ぼす影響についてのご質問
 A:◆「ゴールデンタイプ」や「ブラックタイプ」などのストレート系のほうれん草では全く問題になりませんが、「アフロタイプ」や「ファイブスタータイプ」のようなロゼット系のほうれん草では、問題になることがあります。◆順調に生育して地表面を覆うくらいに生長すると泥はねの問題はありませんが、生育が控えめの場合は泥はねが問題になることがあります。特に、雨が多い秋田の11月では全くダメでした。三重県津市の気候の恩恵に改めて感謝しています。◆育苗はビニルハウス、定食後の生育は露地マルチ栽培といったハイブリット生産農法(ジャグロンズ農法)で、収穫時は露地野菜と同じ状態なので、大量受注してしまうと、雨で濡れた状態でも出荷しなければならないことが稀にあります。この時ばかりは泥付きで出荷せざるを得ない状況です。
■藤原様、お返事が遅くなり申し訳ございませんでした。農業生産に本格的に取り組んだ13年前、当初、私は夏の秋田でのほうれん草づくりに挑戦しましたが、3年で断念しました。
■ある日のこと、奥羽山脈の西側にある秋田県美郷町は気温21℃、この時自動車で仙岩峠を超えて奥羽山脈の東側にある盛岡に移動したら15℃でした。そして、用事を済ませて秋田に帰ると、、やっぱり21℃。この違いは大きいです。盛岡の冷涼な気候なら夏のおいしいほうれん草づくりができるのではないかと羨ましく思います。  早々
2021年2月7日 ジャグロンズ 藤原隆広

◆昨日から一か月たちましたジャグロンズのほうれん草。
◆ここは、秋田県美郷町、ファーム*ジャグロンズのほうれん草畑
◆順調に成長しています。べたがけなしで、ゆっくりじっくり育てています。

◆ここ数年、「50年に一度」に悩まされ続けている。三重野農場で10月のほうれん草が安定して生産できない。
◆そしてここ数年、毎年のように、複数のお客さんからほうれん草はまだかとの問い合わせを頂く。
◆ハイリスクハイリターンなら、望むところだ。しかし、2020年の現在、三重県津市の農園で10月上旬にほうれん草を作ることは、私にとって、ハイリスクローリターン。
◆三重の農園で、ほうれん草に近い葉物を作るには、「小松菜」が最有力候補。とびっきりうまい小松菜を作る自信はある。しかし、ニーズはあくまでもほうれん草が「ベター」とのこと。
◆そしたら、最後は奥の手、「秋田の農園でほうれん草を作る。」ジャグロンズにはこの手がある。今年はこの手で行くことにする。
◆9月5日に播種。9月20日に植え付け完了。それでは、続きはまた明日。

 

 

農研機構の浜本浩(正式には濵本浩)さんが、13日(月曜日)に急逝した。

1960年生まれで私より10才年上。私が農林水産省に入省した25年前に安濃で出会ったのがご縁の始まりである。まだまだこれからもう一花咲かせることのできる若さであっただけに惜しい、悔しいの気持ちがこみ上げてくる。

浜本さんは野菜の栽培系研究のプロパーで、日本発祥の農業技術である、ベタがけを活用した野菜栽培研究の第一人者として、また、施設園芸における人工光を活用した、生理生態学的研究の草分けとして活躍してこられた。浜本さんの研究の成果はジャグロンズのほうれん草づくりにも活かされている。

数年前から、研究の現場から離れていたが、今年は研究の現場に復帰して、新しい希望を持って仕事に取り組み始めたばかりのときだったと聞く。

浜本さんの、親しみやすく、研究者としての柔軟性と、包容力を持った人柄は、多くの後輩研究者から慕われる存在であった。

近畿中国四国農業研究センター時代、同じ野菜部(京都府綾部市)の職員だっとき、当時研究室長の浜本さんから、うちの研究室に来ないか?と冗談半分にスカウトを受けたことを懐かしく思い出した。研究者として、先輩研究者からスカウトされるということは大変光栄なことなので嬉しかった。

昨年お会いしたときには、将来定年して自由になったら是非ともジャグロンズの特別顧問としてコンテンツづくりと情報発信のお手伝いをして下さいと、冗談交じりの本気でお願いしていたところだった。

京都府綾部時代は、家族ぐるみのおつきあいを頂いた。私の息子と浜本さんの息子さんが同い年だったことから、当時本当に良くしていただいた。

5年間の京都時代だけでなく、私が退職してジャパン・アグロノミスツという農業事業に取り組んでいるときも何度となく、津市にある職場にお邪魔して、色んな情報を提供していただいた。

今回の出来事は、私達が思う以上に、浜本さん本人自身が一番信じられないと感じていると思う。人生何があるのかわからない。

本日、参列させていただいた告別式では、15年ぶりに見る見事に立派に成長された息子さんが、人目をはばからず号泣する場面があり、私ももらい泣きしてしまった。

浜本さんが過ごした家族との濃密な時間と息子さんに注いできた愛情の深さを感じた。心からそれを感じた。お父さんの思い出を大切にしてこれからの人生を乗り切っていってほしい。

最後に、浜本さん、今日はお別れしましたが、もしかしてまた生まれ変わって会えるような気もします。その時を楽しみにしております。さようなら。

浜本浩さんのプロフィール★

農林水産省に就職後一貫して野菜の生理生態学研究に取り組む。

野菜のベタがけ栽培に関する研究で農学博士号(千葉大学)を取得。

最近はLEDなどの人工光を活用した野菜の生理生態学的研究で活躍。

◆「益荒男ほうれん草」秘伝File003 数値で紐解く!!その3《アスコルビン酸含量と硝酸イオン濃度》

★ほうれん草のこの2つの品質成分にに関しては、過去に、かなり詳しく掘り下げました。ちょっと、大変ですが今回は私の世界の深〜いところまでご案内します。

★その前に、少しだけ浅〜く「益荒男ほうれん草の実力」のビタミンCと硝酸イオンに関する解説をさせて下さい。

●葉物にもかかわらず、益荒男ほうれん草のビタミンC含量は156mg/100gFWとイチゴの2倍の量を含んでいました。サラダで食べると効率よく摂取することができますが、アクが大敵!!

●これに関しては益荒男ほうれん草の硝酸イオン濃度は、なんと市販のほうれん草の25分の1!!驚異的な少なさです。生で食べてもアクを感じないわけですよ!アクの成分は硝酸イオンとシュウ酸イオンなどからなると言われていますから。

●実は硝酸イオンを出荷前にぐっと落として絞ってくるというのが益荒男ほうれん草を作っている「畑の魔術師」タッカーのマル秘テクニックなのだ。以上、益荒男ほうれん草の実力に関する解説は終了!!それでは、深い世界へ、Let’s go !!

★内容とテキスト量ともに、これまでにないボリュームです。気合を入れて読む必要があります。入り口にいるあなた!!頑張ってください。

★先ずは、園芸学研究に掲載された私の論文を紹介します。そこに、ディープな世界があるからです。下記の水色のイタリックボールドテキストをクリックしてください。そして、PCの画面、またはプリンターでプリントアウトして読んでみてください。

★眠れない夜にピッタシの内容ですが、最後まで読んだらあなたも「ほうれん草ツウ」。自信を持ってほうれん草マニアを公言してください。

タッカーの原著論文2005園学研347

 

《ちょっと、寄り道。研究時代のエピソードに関するコラム》

★はじめに★

●私は、約12年間の研究所時代、合計40回近くの学会発表を行いました。そして30報以上の原著論文を発表し、うちファーストネームで発表したのが19報。今回紹介させていただいた論文は、私の本流の研究の内容ではありませんでしたが、今になってみると国会図書館に保存されている私の論文の中で最も多く引用されている論文になっていることがわかりました。

●今回のコラムでは、この論文にまつわるエピソードを紹介します。

★研究の経緯★

●平成13年から18年にかけて、私は主任研究官として在籍した農林水産省 近畿中国四国農業センター(現・西日本農業研究センター)野菜部野菜栽培研究室で、中山間地及び都市近郊農業の振興のための野菜の栽培技術研究がに取り組みました。更に詳しく言うと「ほうれん草を中心とした葉菜類の品質向上のための栽培技術に関する研究の遂行」、それが私に与えられたミッションでした。

●しかし、どこを探しても、生活者が実際に消費している野菜の品質に関する詳細な調査は行われていません。そこで私は、実際に街で売られているほうれん草を購入して、人体への健康の面からプラスの成分であるアスコルビン酸(ビタミンCの物質名)とマイナスの成分である硝酸イオン濃度の2つを周年調査させてくださいと研究室長である上司の熊倉裕史さんに、直訴しました。

●私の研究室のミッションは、栽培技術の開発とうい縛りがありましたから、この調査に研究室の研究費は使えません。そしたら、なんと、ほうれん草を購入する費用を熊倉さんのポケットマネーから私費で出して頂いたのです。さらに、パート職員の大田智美さんは、仕事が終わってからの勤務時間外で、ボランディア活動として複数のスーパーを回って出回っているすべてのほうれん草を買ってきてもらえたのです。

●私の思いに共鳴してくださった私と同じ戌年で一回り先輩の熊倉さん、大田さん。このような両氏のご協力がなかったらこのコンテンツという財産を世の中に残すことはできませんでした。感謝しています。

★発表時の反響★

●当時、研究者として乗りに乗っていた私は、学会発表する前に論文を投稿していました(普通は、学会発表を終えてから論文投稿の準備に取り掛かることが多い)。

●論文審査中にどこかの大学で開催された園芸学会で口頭発表に望みましたが、実際の発表会場にはそれまでに見たことのない人数のオーディエンスが優に100人超え。この内容に対する関心の深さを改めて感じたことを昨日のように思い出します。

●ところが、この発表を仕切っていた、チェアマン(九州地方の国立大学の大御所教授だったと思います)が、私が発表を終えるやいなや、一方的に研究内容を批判する発言で一蹴したのです。反論のチャンスも与えられず、私はがっかりしました。

●しかし、捨てる神あれば拾う神あり。学会誌への投稿論文の査読のレフェリーが、内容を理解して前向きに応援してくださるコメントを多数くださいました。そして、合格!!2005年に晴れて学会誌「園芸学研究」に掲載されたのです。

●投稿論文の審査は、2人の覆面レフェリー(覆面レスラーではありません)が、内容的、論理的に厳しいチェックを行います。国公立の研究所からの投稿では、大学の教員がレフェリーになることが多いのですが、どなたがレフェリーだったのかは私にはわかりませんが、審査してくださったレフェリーのお二人には感謝しております。

★発表当時の私の思い★

●論文の中身に関しては、今回はあえて解説しません。しかし、今回紹介させて頂いた、原著論文の考察の最後にある、「生産者は来るべき日に備えて、高品質で成分変動の少ないほうれん草の安定生産に取り組む必要があろう。また、同時に研究と技術開発の成果をこれまで以上に生産現場へ活用することが、産業をしての競争力のある強い日本の農業生産を実現する上で不可欠と考えられる。」との記述は、過去の私が、現在の私に送った、心にグッとくる強いメッセージでもあります。

●私は、まだブレていません。少しだけ自分を褒めてあげたい気持ちになりました。未来の自分に悔いのない日々を過ごそうと兜の帯を締めました。

★夏の安濃津農園に最も適した作物のひとつが里芋。

★今年で3年目になるジャグロンズのオリジナルブランド「さかゑ姐さんのただ芋」。

★昨季は、貯蔵芋でデビューしたが、今季は秋から出荷を開始する(9月下旬~販売開始)。

★今季は、過去最高の出来ばえだ。

★↑雑草の生育具合を見るとともに、雑草をチップにし緑肥として活用、いよいよ今季もほうれん草生産の準備開始だ!!(2019.9.12 Photo by Jagrons T.F.)

◆本日、無事、名古屋のイベントが終わりました。皆さんありがとうございました。名古屋の練習参加者は100人近くいて、ゆうにカンボジアの子供1人が学校に行ける金額を上回りました。

◆私も、チャリティーやっているうちに、サニーサイドゴスペルクラブ(以下、サニーサイドGCと表記します)史上、最も難しいとされる「ジェネシス」をマスターしつつあります。明日は、四日市にダメ押しのチャリティー&練習会参加!!やっちゃいます。

◆今回も小西リーダーのお計らいと、ひまわりさんはじめ、進んでチャリティーのお手伝いをしてくださったメンバーさんたちのおかげで無事イベントをとりおこなう事が出来ました。重ねて御礼申し上げます。ありがとうございました。

◆これからも、【「農」の現場で科学技術と文化の調和を目指す】をスローガンに、ジャグロンズ、藤原隆広がんばります。応援のほど宜しくお願いします。

●一般公共機関への物資の納品には、「一般競争入札」と「随意契約」という2つのシステムがある。

●もうかなり前のことである。7~8年くらいなるだろうか。当時、安濃町(津市と併合前)の学校給食の管理栄養士の先生から、問い合わせを頂いた。学校給食での「食育」に協力していただきたいというものであった。

●「ほうれん草」+「情報」=「益荒男ほうれん草」のコンセプトを掲げてほうれん草作りに邁進していた私たちにとって願ってもないチャンス。「自分たちが作ったおいしい野菜を地域の皆さんに届けたい。」そんな思いがかなった瞬間であった。

●早速、学校給食用のニーズと利用現場での現状を教えていただき、学校給食用のブランド「安濃津ほうれん草」として出荷することになった。これまで、歴代の管理栄養士の先生方との協働で地域の子供たちに地元で取れた野菜を納品させていただいている。http://www.jagrons.com/archives/2014/03/post_1148.html

●こうしたご縁から、平成の大合併以降新しく発足した、津市全域の中学校給食を担う「津市学校給食センター」という機関に納品するチャンスを頂いた。農業の会社ではあるが、会社法人化していたジャグロンズにも入札業者登録が可能なことが分かり、エントリーしたところ審査に合格。無事入札業者としての資格を得ることができた。

●これまでは、八百屋さんや専門の納品業者さんの領域なので、そこを荒らす気など毛頭ない。ただ、「自分たちの作った新鮮でおいしい地場農産物」ができるだけ安く地域の子供たちに提供できればとの思いで、旬の時期だけ、地元産のとれたて新鮮なほうれん草やサトイモなどを提供させていただいているのだ。

●12月12日は、津市全域の中学校給食に使っていただく「安濃津ほうれん草」を「津市学校給食センター」に納品した。総量約170kg。ボリュームがあるので1.5トンのトラックを用いて要員2人での大掛かりな納品となった。このように少しだけ世の中のお役に立てるのはほうれん草専門農園としてやってきたことが功を奏しているように思う。まさに「ほうれん草屋冥利に尽きる」のだ。

●12月はストレート系のほうれん草に自信があったのでジャグロンズが落札したが、1月のジャグロンズのほうれん草は「ファイブスター5☆」や「アフロ」それに、「ゴールデンスター」というゴールデンタイプのロゼット型を中心に出荷する予定なので、入札は控えさせていただき、安濃町の随意契約案件のみ出荷する。

●学校給食の専門業者さん!!1月の学校給食センターの方は、よろしくお願いします!!

☆↓納品日前日のほうれん草。農場直送ものと業者さんからの納品物の違いは、ほうれん草に水をかけるか否か。ジャグロンズのほうれん草は、上から水をかけることをしない。その代わり乾燥しないようにポリ袋に入れて口を閉める。

☆↓納品場所の津市学校給食センターに到着。7時30分だ。

◆2018年1月16日の中日新聞の記事に二分脊椎についての記事を見つけた。

◆二分脊椎症とは新生児の脊髄の形成に異常が発生することによって生じる先天性の障害

◆妊娠時の母親のおなかの中にいるときにこの障害が起こることが知られており、妊娠時ビタミンBの一種である「葉酸」の摂取によって障害の発症を大きく減少(英国の報告では72%減少)させることが出来る。

◆妊娠前4週から妊娠12週までの期間に1日0.4mg(400μg)の摂取が推奨されている。

◆ほうれん草1袋(200g)中にちょうど0.4mgの葉酸が含まれている。(5訂食品成分表2004より)

☆詳しくは下記の学術論文を!(↓)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpnjurol1989/94/5/94_5_551/_pdf

☆★ここでは、藤原隆広プロデュースのジャグロンズオリジナル農産物の第一号。★☆

★☆「益荒男ほうれん草」のご紹介させていただきます。☆★