◎今回の台風22号は、大したことなく安心した。

◎それにしても、前回の台風には参った。

◎ダイナマイトダッシュ的に開始した今年のほうれん草づくりが裏目に出た感がある。

◎ジャグロンズの安定した露地野菜生産を実現するには、その土地にあった生産時期の最適化が必要だ。将来は11月収穫の作型を廃止し、12月収穫から開始するほうが合理的なのかもしれない。

◎天災による、生産物の供給量の不安定化は、取引先様にご迷惑をかけることになるし、今後の生産を担う後継者の育成にも影を落とすことになりかねないのだから。

◉1998年頃の記憶だが、北海道からDさんという人が、ブロッコリーの育苗について勉強したいと、当時私が研究員をしていた、野菜・茶業研究所 生理生態部 作型開発研究室 を訪ねてきてくれた。Dさん曰く、北海道と福島で100ha規模のブロッコリー生産に着手したとのこと。その会社名は北海道産直センター。ドール(外資系)の資本で生まれた日本の会社だ。

◉9月上旬北海道で開催された園芸学会に参加した。秋の園芸学会では、学会発表会の他に、オプションで現地見学会という企画がある。学会の現地見学会は農業団体の現地視察と少し雰囲気が異なり、中々勉強になるので、積極的に参加している。今回の現地見学コースにI Love ファーム日胆の見学があった。北海道では600haの農地のうち、ブロッコリー200ha、スイートコーン100haを生産しているとのこと。そして全国に拠点を設けて現在生産面積800haという。圧巻だ。そして偶然、このI Love ファームを全国展開しているのがほかならぬ25年後の北海道産直センターだったことを知った。現地では、出羽盛久社長のお話を聞くことができた。参加者の多くが研究者だったので他の人がどう感じたかはわからないが、農業経営者の私からしたら、お話のどれもが納得いく説得力のあるお話であった。出羽さんは、ビジネスとしてのこれからの農業のあり方をイメージし、それを実際に実践されている方の一人である。

◉2017年9月14日、バナナ流通の大手、ファーマインド社のニュースリリースによると、ファーマインド社は北海道産直センターの株式100%の譲渡を受け、子会社化するとのこと。日本の農業ビジネス構造の未来を考える上で注目したい出来事である。

◉なお、冒頭のDさんとは、数年前に三重県で再会した。彼は、ブロッコリー生産からブロッコリーの種子生産に活躍の場を変えていた。