◆今回の話題はSAS。といってもイギリス空軍の特殊空挺部隊(SAS)の話しではない。

◆ちょっと怖い話だ。私が始めて「金縛り」なるものに出会ったのは、中学3年生の冬であった。中学3年といえば高校受験。放課後の鮒つりに夢中になり、計画的に勉強ができない。やっと受験勉強がでるような心理環境になったのは、雪が降ってからであった。スロースタートを切ったので寝ないで勉強しなければならない。

◆そうして、金縛りに出会った。体が寝ていて頭が起きている状態なのだろう。その状況は少しの前触れを伴ってやってくる。高速エレベーターで下に降りるような感覚だ。フォールダウンした末にその状況に遭遇する。前触れを察知して体を横にひねると金縛りから逃れられることもあった。

◆金縛りに遭遇すると自分で目の焦点が合わせられなくなり、前に見えるものがボーっとして見えることがある。これに心理的恐怖心が加わると、目の前に怖いものが現れるのではないかと思った。

◆あれから30年以上経った。現在は全くそんな状況に遭遇しない。今では寧ろ逆に体より先に脳が眠ってしまう状況だ。

◆そして数年前に判明した夜間無呼吸症候群(SAS)。寝ている間に、呼吸が止まる病気だ。呼吸が止まると通常100%近くの状況にある血液中の酸素濃度が70%まで低下する。それによって、脳の神経細胞の破壊など、いろいろな問題が引き起こされると考えられている。どうも、私の祖父譲りの体質らしい。

◆SAS対策の医療的処置方法として、次の3つが知られている。①CPAPの使用、②口腔内装置(マウスピース)の使用、③外科的処置(手術治療)。私はすべての治療法を検討したが、③については、扁桃腺が多きいタイプではないとのことで受けることができなかった。知り合いのしいたけ屋の社長が、③の処置を受けたそうだが、効果は「いまいち」であるとのこと。なかなか難しいらしい。①と②も治療を受けた当初は決して快適なものではなかった。このほかにも、③抱き枕にしがみつき横になって寝る。とか、④減量するなどいろんな対策がある。

◆SASと診断された人は、夜寝ていても、1時間で30回以上息が止まっているらしい。ちょうど、寝ている私の上に女性が乗っかってきて、首を絞められているようなものだ。全くといってはうそになるかもしれないが、そんなに首を絞められるようなことはしていないと思うのだが。怖い怖い!!