◆ほうれん草生産も残すところあと僅か。ところで、今シーズンは種をまいて苗を作ったものの植えられずに残った苗が約2万8千株。これを廃棄しなければならなくなった。

◆これは大きくなれなかったほうれん草の成れの果て、いわば「ほうれん草の水子」ともいえる。供養するのがけじめのつけ方だ!!

◆早速、やんごとなき僧侶の方に来ていただき、儀式を行うことにした。

◆禅寺のやんごとなき僧侶の方にお経(般若心経)を詠んでいる間、スタッフが代わる代わる焼香し、手を合わせた。木魚の代わりに、育苗トレイが埋葬する穴の壁にたたきつけられる「バンバン」というサウンドが響く。

◆静けさのなかで儀式は厳かに執り行われたのであった。

◆まだ苗は死んでいないので厳密に言えば、生前葬とも言える今回の儀式、悲壮感は全くない。みんな少しニヤニヤしている。

◆今回お願いした僧侶の方が、本格的過ぎてちょっとすごすぎる展開になったのだ。さすがやんごとなき僧侶の方、一つ一つの振る舞いにセンスが光る。「たかがほうれん草されどほうれん草」、ワクワクどきどき腹腹のひとときを過ごすことができた。

◆今回の私の無理なお願いを聞いていただいた「やんごとなき僧侶の方」、そして半分以上まじめに儀式に参加していただいたスタッフの皆さんに感謝します。こうしたけじめのある行動を重ねているうちに、みんなが幸せになるのだと思います。合掌。