■金曜日の開店から約4時間、サトイモ「さかえ姐さんのただ芋」の初めての店頭販売に挑戦した。ほうれん草は売り切れ状態のため今回はサトイモに専念することになった。

■お客さんに知ってもらいたいのは、この芋の持つ歴史と先人の想いを伝えること。このとき私は講談師になる。お客さんがいようがいまいが、淡々と朗々と話を続ける。そうするとなぜかお客さんが寄ってくる。

■「このお芋のお話をしているの?」、「はいそうです」。そして、小芋をふかした「きぬかつぎ」を食べてもらう。きめ細かい舌触り、そして粘りとコクがこの里芋の特徴だ。

■三重では、サトイモの事を「ただ芋」というんです。秋田では「いものこ」といいます。農園独自の地下貯蔵恒温庫で貯蔵することで、出荷前の機械洗浄に耐えうるように芋の表面を魚の干物のように硬化させるんです。これは、お客様が芋を洗わなくてもいいように、そして短時間で調理がすむことを目的に工夫したものです。具体的には15分から20分で料理できるようにしています。

■小さな芋は、ふかし器で蒸して15分で出来上がり。皮をむいて塩やしょうが醤油をつけて食べるのが「きぬかつぎ」。

■大きい芋も20分程度で、皮が簡単にむけます。それから、平行して準備をしていた「雑煮」や「いものこじる」にいれて、ハイ!!出来上がり。

■東京では、100g程度の大きさのいもの需要があるようだ。しかし、「さかえ姐さんのただ芋」の品種「サカエ1950」という芋の作り方は、小芋をたくさんつけるつくり方。大きい芋の割合は親芋を除けば2割程度だ。名古屋のお客さんは、小さい芋の楽しみ方もご存知のようだが、東京の皆さんにも知ってもらいたいと考えていた。

■あえて試食に用いた芋は、20g程度の小芋だ。これを見た、お客さんの一人が懐かしそうに語ってくれた。「亡くなった父親がいつも好んでそれを食べていたのよ」。「出身はどちらですか?」と私。「生まれも育ちも東京上野よ。」地元の方だ。「その一番小さいのがほしいわ。」、「今回は小さいのは試食限定で販売はしていないんですよ。」「そう、残念だわ。」そういって40gサイズの比較的小さい芋が入ったロットを購入していただいた。

■どうやら、小さい芋の需要もありそうだ。店長にお願いして次回からは、小さい芋のロットも少量入れて出荷させていただくことにした。

■作品(商品)の情報をお客様に伝えること。そして、お客様の反応も含めて、お客様の情報をいただくこと。これがジャグロンズのなすべき仕事だ。

■伊勢丹新宿店のスタッフの皆さん、今回も大変お世話になりました。今年は、えだまめ「月兎豆」の店頭販売にも「日帰り」で挑戦したいと考えています。よろしくお願いします。(秋田の日帰り、出来るかな~?)