●昔、野菜・茶業試験場の研修生の行事として行われていた「伊勢夜行隊」。津市安濃町から伊勢神宮までの60数kmを徒歩で移動するイベントである。夕方6時出発で翌朝7時ごろに到着する。
●ジャグロンズの「渡り鳥農業」の特徴は、設備投資を最小限に抑えて日本列島の四季の多様性を生かした「渡り」である。1回の渡りは約1000km(コースにより900km弱)と長距離の移動であるが、最近頻繁に移動することが多く慣れっこになってしまっている。
●さて、今回の移動、秋田の雪と解けた雪の凍結により、朝7時半の出発をきめた。今回は日野デュトロ3.5t積載車&パジェロミニ(軽自動車)でのドライバー2人(運転交代できない)のオールでの渡りだ。2名交代運転では通常13時間で走破するが、今回はそう簡単にはいかない。
●出発3分後に現れた雪国特有の絶景の美しさに心を奪われ、写真のシャッターを押すこと約十分のタイムロス。日本の自然は、四季の変化があるから美しいの だが、変化が過激であるほどその美しさも一際だ。そのときの写真が下の写真。厳しい自然の中でひと時の美しさを放った瞬間をカメラが捕らえた。(写真 は鳥海山と朝もやの奥羽山脈)
●さて、「渡り」の話に戻る。トラックで出発した佐々木は、順調に進み14時間で目的地の三重県津市に到着。一方のパジェロミニの 藤原は、前半は順調に進むも、新潟でまさかのコースミス。東京方面にはいってしまう。幸いにも長岡で引き返し富山方面へ向かい、トラックに追いつくが、福井~滋賀県で急激な 眠気に襲われ、安全優先の「休み休み運転」モードに切り替える。結果、16時間かけて無事到着。
●安濃津農園のある三重県津市の景色も美し い。おおらかな中に安らぎを覚える風景だ。「渡り鳥農業」をライフスタイルにする私たちには、故郷が複数存在する。私たちの故郷は「日本」。多種多様なラ イフスタイルが受け入れられている現在、これからも日本の魅力を堪能し、そして情報を発信してゆく。