◆秋田県美郷町、ファーム*ジャグロンズ兎農園の育苗ハウスで使用する井戸ポンプの調子が悪い。早速原因究明と対策を講じることにした。

◆まず、井戸の水位の状況を調べた。手掘りの井戸で深さは8メートルほどあり、地下7メートルほどの高さから、1メートルほど水がたまっている。鉄分が検出されないので、たまっているというよりは流れているといったほうが表現が適切である。

◆目に見えない井戸の深さを知るには、釣りの経験が役に立つ。黄色いミズイトの先に水を3分の1ほどいいれた300ccのペットボトルをつけて釣りの浮きのように水面に落としたところまでの糸の長さ(a)を図る。そして、今度は錘をつけて、着水後糸のテンションが緩むところの糸の長さ(b)を計る。aが地下水位、水深(c)は(b-a)だ。

◆いろいろ考えた後、ポンプの付加を軽減する逆支弁の装着をしてみた。しかし今度は呼び水が入れられないことが発覚。これは途中に「チーズ」を組み込むことで呼び水を簡単に入れられるようにした。しかし、まだ水が汲み上がらない。

◆そこで、ポンプをじっくり見つめることにした。そして、モーターでまわしているフィンという部品を見るために3本のねじを開けることにした。このとき、ねじがゆるいように感じた。フィンは問題ない。やはりパッキンか?パッキンをよく見てみると丸いはずのパッキンゴムの断面が三角になっている。

◆結果、パッキンを換えることに。そして電源ON。勢い良く水が汲みあがった。合計5千円以上かかりましたが、ポンプのフィンカバーのパッキンは153円。経験値のなさから5千以上のコストをかけてしまったが、次回からは1000円以下で直すことが出来そうだ。

 

 

 

 

 

◆秋田県美郷町にあるファーム*ジャグロンズ「兎農園」の農地の一角に育苗ハウス3号棟を作った。創業当時は何度も自分で建てたビニルハウス。

◆今回の大きさの農業用のビニルハウスは、材料費と建設工賃合わせて、30~40万円が相場だが、建設人件費が半分ほどなのと、部材組み立てキットは、実用上不要なものも多く含まれることから、今回は部材の選定と建設作業を自前で行い、3分の1程度のコストで完成させた。

自分でビニルハウスを立てることが出来るということは農業経営上の大きなアドバンテージになる。段取りよく、熟練したチーム3名いれば、6時間程度で完成させることが出来ると見積もったが、今回はブランクが長かったこともあって、私の経験値の低下もあり、その結果、1日/3人ほどかかってしまった。

◆この育苗ハウス、あくまでも、すぐに解体できることを意識して作っている。だから、土へのパイプの差込深さも30センチ。突風や台風にはむちゃくちゃ弱い構造だ。三重県では春一番ですぐにノックアウトになる構造。まさに、ビニルパイプ界の「アネハ構造」。だがしかし、このハウスのコンセプトは、キャンプのテントに近いものだ。私たちは、4月下旬から5月いっぱいで苗作りのミッションを終了した後は、ビニルを剥ぎ取る、そうすれば難なく夏から秋の台風による被害をかわすことが出来るのだ。

※↑アーチパイプの幅は、西日本仕様の50センチ(メートル規格)を採用。(地元の規格は45cmの尺規格)。パイプ直径は22mmに統一。

※↑苗置き台は2mの規格品の木材に、直径19mmパイプ3.6m規格品56本で、ぴったり収まる。ここは、水害の心配がないので、作業性重視で、モルタルレンガを50個使用して1.5m間隔で配置。ここからは良く見えないが、1本おきに、木材にコーススレットビスを逆ハの字に打ち込むことで、フック機能をもたせ、パイプが転がらないようにするのが、ジャグロンズ流のオリジナル仕様だ。去年の簡易パイプよりも格段に進歩した。去年のハウスはこちらを参照ください。→http://jagrons.com/2018/04/13/1049/

※↑15m×5.4mの3号育苗ハウス。収容可能苗はトレイ数で336枚。約4万3千本のエダマメの苗を収容することが出来る。ジャグロンズの技術は日々進歩している。

 

 

●ジャグロンズファミリーの現地法人「株式会社ラビッド・ブラウン」は、現在、秋田での枝豆生産に特化した秋田県美郷町に本社を置く農業生産法人。今年もいろいろと未知の分野にチャレンジし多くの経験を積み重ねました。

●現在、大仙市と美郷町をまたに駆けての枝豆生産事業では。大仙市と美郷町の複数の農業委員会事務局のお世話になりながら、事業を展開してきました。

●先日は、大仙市農業委員会からのご紹介でお会いした大仙市の地主さんである仙台市在住の進藤ご夫妻のお誘いで喫茶店でのひと時の交流を持つことが出来ました。偶然お二人は、私の母校大曲高校の大先輩に当たること。私が仙台在住の経験があることで話が盛り上がりました。そして、すでに亡くなっている進藤様のお父様が、秋田県で開発された農業技術の実践に率先して取り組んでおられたことをお聞きし、この思いを次世代にもつなげてゆきたいと、強く感じました。

●これからも夢を形にするために精進を重ねてゆく所存です。来年もファーム*ジャグロンズ「兎農園」頑張ります。

●三重県津市の「安濃津農園」と秋田県美郷町の「兎農園」、この二つの農園を直営する「ジャグロンズ」の今後の活動にご期待ください。

↓※美郷町の六郷東根地区は秋田県でも有数の豪雪地帯。これから深い雪におおわれる。

↓※巨大手作り格納庫。これまでビニルハウス方の格納庫を2度雪による重さで全壊した。そういった経験を踏まえてこの片屋根スタイルが完成した。雪が右側に滑落するシステムだ。

↓※今年新しく完成したトラクター庫。2棟の格納庫には合計12機のマシンが来年春の出動に備えて格納されている。今年初めての冬を越すことになる。

↓※枝豆生産に必須の冷蔵庫、この中には6坪仕様の冷蔵庫が格納されている。紅白のポールは除雪車のためのマーカーだ。さて、今年はどれくらい雪がふるのだろうか?

↓※三重県よりも東側に位置する秋田県。4時を過ぎるとすぐに真っ暗になってしまう。今年活躍したハイエーストラックは、格納庫で来年の春まで待機する。

↓※愛用のレトロトラクター。奥に見える赤い機体は秋田では珍しいと言われるマッセイファーガソントラクターMF4235(75ps)。来年早春の猛ダッシュに備えてロータリーを等身大の2.2mに変更、準備万端だ。マッセイファーガソントラクターのお下がりの2mロータリーを装着した手前のフォード3910(48ps)は、これからディーラー(日本NH)のドックに入り年内に整備完了予定。来年春からの活躍が期待される。

↓※マッセイファーガソントラクターに新しく導入装着された2.2mロータリー。枝豆生産事業は、作業の爆発力が生命線。露地野菜農業では作業効率の「最大瞬間風速」が重要になる。来期は耕起効率7分台/10aのジャグロンズレコードを目指す。

↓※三重の農場を留守にし、単身秋田で、現地のスタッフの協力を得ながらも、昨日、無事冬支度を終了。往路は新幹線、復路は愛車のレトロセダンで長距離ドライブだ。これから三重に帰ります。それでは皆さんごきげんようさようなら。

 

 

◎桃栗三年柿八年、藤原隆広は農業始めて12年。

◎48年の私の人生を振り返ると、住民票の所在地の内訳は、三重県20年、秋田県18年、京都府5年、神奈川県4年、宮城県1年となる。

◎日本各地での生活経験と、12年間の「渡り鳥農業」の実践の中で、従来の農業とは少し視点の異なる農業の実践に手ごたえを感じているところだが、まだ道半ばである。

◎9月の活動拠点は三重県津市であるが、今は4日間だけ秋田県美郷町に滞在している。

◎この4日間で思わぬ方々との出会いがあった。大仙市の農業委員会(秋田の枝豆事業では現在、美郷町と大仙市の2つの農業委員会事務局の皆さんにお世話になっている)の方からの紹介されたSさん。それに、1ヶ月前に草刈の道すがらご挨拶したことをきっかけに土地の提供のお話をいただいたHさん。そして、地域の農業の振興に協力してほしいと声をかけて頂いたIさん。多くの出会いがあった。

◎地主の皆さんからは、それぞれの農業に携わる上での事情をお聞きし、その上で私たちに土地を託していただけるとの了承を得たが、来年も身を引き締めてゆかなければならない。

◎ジャグロンズの藤原隆広として、自分にしか出来ない天命がある。それを全うするためには、三重県津市の「安濃津農園」と秋田県美郷町「兎農園」この2つの農園、いわば「二速のわらじ」を履くことが不可欠。2つは、複数の最小単位なのだから。

◎私の住民票の遍歴を見れば、私の天命の一端を理解していただけると思う。いや、理解してもらうためにやっているわけではない。ひとつずつ結果を出してゆけば自然に誰かが勝手に解説してくれるようになると考えている。

◎明日は、乗用車で津市に帰る。日本海の景色を楽しみながらの一日たっぷりのドライブである。

◆兎農園始まって以来の生産者直売会。パワー秋田角館店さんの協力により無事終了した。

◆販売したのは、ジャグロンズの産直ブランドえだまめ「月兎豆」。

◆準備したえだまめは、3時間で完売。目標の労時売り上げを達成することができた。

◆とはいっても、私がこえかけをして販売できたのは1/3ていど。今回の成果は会場を提供していただいたパワー角館店の横山店長はじめ、今回のきっかけを提案していただいた高橋さんの根回しの賜物である。そして、枝豆に興味を持って購入していただいた、パワーの多くのスタッフの方々のおかげでもある。

◆今回のイベントの名目は生産者産直軽トラ市だが、あまりにも過酷な猛暑のため、冷房効果が強いホンダのHR-Vを使用。

◆本来、赤のHR-Vは三重県津市での「益荒男ほうれん草」の直売用として4年前に購入したものだったが、実際に直売で使用したのは今回が初めてだ。野菜の直売用としてこの赤のHR-Vは最適ななかなか便利な車だ。

◆今年の夏は、毎週土曜日の午前中9時から3時間限定の1本勝負。エンドユーザーの皆さんのご意見や感想を聞けるマーケティングの絶好のチャンスでもある。

◆リピーターさんの声が聞けることを楽しみに、また明日から採れたての枝豆のおいしさを食べていただく皆様にお届けできるよう収穫調整作業を頑張ります。

◆「秋田でのエダマメ生産のビックウエーブを乗り越えたときの達成感と高揚感は、ジャグロンズでの研修の大きな思い出です。」とは、ジャグロンズOBで元研修生の菊池君のご感想。

◆2018年7月18日。今年もいよいよ始まった。ファーム*ジャグロンズ兎農園夏の陣「エダマメ祭り」。

◆1日目の出荷量は487kg、枕地を考慮した反収は、435kg/10aだ。悪くない。

◆エダマメ祭りは、週一日だけの休暇のみで、1ヶ月強ひたすらエダマメを収穫し出荷するジャグロンズのビックイベントのひとつ。

◆祭りだけあって、時給は地域内の農業現場よりもだいぶ高めの設定。そのため、プロの腕を持つベテランの皆さんはこのときを楽しみにしている。

◆最近すごい男性が祭りに参加。その風貌圧倒的!!曹洞宗の僧侶と見紛うほどのぴかぴかのスキンヘッドは美しくもある。I氏32歳。「エダマメ祭り」限定でのスポット参加だが。何かやってくれそうな感じがする。

◆ジャグロンズには、若い力が必要だ。ジャグロンズはどんな人にも常に門戸を開いている。エダマメ祭り、興味のある方はぜひご一報ください。

◆あっ津、やばい。明日の祭りは早朝4時から始まる。もう寝なければならない。

 

◆ファーム*ジャグロンズ兎農園(秋田県美郷町)。今年で兎農園ブランドでの枝豆の出荷販売は6年目となる。

◆初年度出荷は9tだったが、昨年は30tと3倍以上をマークしている。

◆規模の拡大と機械化を勧めた結果、おいしいけれど生鮮出荷には向かない訳あり品の量も無視できないものになってきた。

◆そこで今年導入したのが、自動まめ剥き機。1台で人力の6~9倍程度の効率アップが見込まれるようだ。

◆今回はスーパーで買ってきた冷凍枝豆を解凍したもので試運転。いい感じで剥けている。

◆先日、ジャグロンズ本社のある三重県津市安濃町の管理栄養士の先生から9月(9月は枝豆の旬とされている)の学校給食に使いたいと、お問い合わせを頂いた。うれしい限りである。

◆ジャグロンズの「剥き枝豆」は、軽くゆでた後、真空パックし、加熱殺菌した後、冷凍で保存され、冷凍状態でお客様のお手元に届くシステムだ。

◆これまでのジャグロンズのエダマメ生産における害虫防除は、背負い式動墳(動力噴霧機)が主流であった。これによりプレシジョンファーミング(PF:精密農業)の実践も可能にしてきた。これまではPFの実践により、薬剤散布量を慣行の標準散布量150L/10aに対して生育初期で1/10、開花後の生育後期では1/5に減らすことができていた。

◆一方で、これまでの方法では10aあたりの歩行距離は防除初期で600m、開花後の防除では、その倍の1200メートル、最低でも合計1800m歩く必要があった。10ha計算で、180km歩く計算になる。これは、ファーム*ジャグロンズ「兎農園」のある秋田県美郷町から、新潟市または仙台市まで歩くのに近い距離である。

◆そろそろ、イノベーションの必要に迫られた。防除の機械化にはハイクリアランスビークルが一般的だ。しかし、市販の新品では300万~500万円が相場。ジャグロンズの経済感覚では、お金がかかりすぎて「もったいないお化け」が出てしまう。農薬散布量だけでなく経費も1/6~1/10に圧縮するのがジャグロンズ流。何とかならないものか。

◆そうして、今回導入したのが、この機体。PDNSという農業機械屋さんのグループが運営するオールジャパンサイトで見つけ、ジャグロンズ流の範疇に見合った納得いける価格で購入した。購入窓口は、鹿児島の大崎機械店さん。フットワークの軽い社長の稲葉さんが、名古屋港からフェリーで仙台港まで送ってくれたので、仙台から自前の積載車で秋田まで輸送した。

◆前ユーザーは、愛知県豊橋市の農家の方だ。キノンドーという農薬を使った形跡があるのでたぶん、キャベツ農家ではなかろうか。樹脂製の赤いボンネットの色がくすんでいたので、早速赤のスプレー缶で塗装、ピカピカに輝いている。

◆この機体、一度に、幅10mの農薬散布が可能である。早速本日、本格的始動のために各部のチェックを行った。現状販売なので、不具合はお約束。こちらの望むところだ。 先ずは、薬液タンクの液量レベル表示用の透明チューブ。チューブがくすんで、全く液量が見えない状態。早速、近くのホームセンターで材料を購入して、チューブを交換。これで完璧だ。足回り等、少々のオイル漏れは、また改めて直すこととして、明日の早朝、ノズルに詰まったごみを除去して実際の圃場で薬剤散布を行う予定である。続きはまた改めて紹介させていただくことにしたい。

◆この畑は3年前までは、よく草が刈られ、天然の芝が生い茂る1500坪ほどの広大な広場だった。

◆土地のオーナーである佐々木政敏さんから、この土地の歴史について伺った。

◆美郷町仙南地区に位置するこの農地は、増田町ご出身の佐々木さんのご両親が、農業をするために志願して、松林を開拓した農地に入植したことから始まる。

◆当時は広大な土地にりんごを栽培する果樹園だったという。はじめは経営が成り立っていた果樹園だが、次第に、価格の暴落が恒常的なものとなり、りんご一筋に生産していた人たちは、借金に苦しむことになったという。

◆佐々木さんは、早いうちから、出稼ぎなどの仕事に積極的に取り組み、農業で生じた赤字を穴埋めすることで、農業を存続させてきたという。

◆しかし、全く見通しの立たない、現状を目の前に、佐々木さんは、農業を廃業することを決断する。

◆米といえば秋田。秋田といえば米。稲作以外は農業ではないといわれるほどの時代もあったという。

◆3年前に、口コミで知り合った。ファーム*ジャグロンズ「兎農園」の藤原のエダマメ生産事業に理解を頂きこの土地を託していただいた。

◆この圃場も、大きな石が「発掘」されるが、この地域での「展示圃場効果」は抜群で、その後隣接する「後藤りんご農園跡地」のほか、多くの地域の方から「土地提供の申し出」を頂く契機となった意義のある圃場である。

※こちらは、隣接する後藤リンゴ農園跡地↓

◆先日の雨は帯状の雲によりだいぶ多くの雨が降った。大雨のあとにもっとも早く作業しやすい畑「コウスケ30」圃場。

◆こんなとき、いち早く作業しやすいのが、もっとも水はけの良い畑。しかし、ここは、ファームジャグロンズ「兎農園」の圃場の中でもっとも石が多い圃場だ。

◆先ずは、圃場に入る前のお約束の儀式。バケットで2杯分の石を取り除く。

◆難航したが、21日~22日にかけて無事「耕起・畝たてマルチ・植え付け」作業を終了。

◆代償は、①コバシロータリーの故障。フランジ爪のボルト1本破損した。だが昨日無事修理完了。②もうひとつは、畝たてマルチ2号機(ヤンマーKe-3D)がショックによりパンチドランカー化。作業機の上下動作が不可能になってしまった(これはこの機種の持病である)。しかし、これが、後に紹介する3号機の開発につながることになる。

◆こんな状況でもジャグロンズのフロンティアスピリッツで乗り切っている。