◆in 秋田県美郷町「兎農園」。今年も始まったジャグロンズエダマメ生産「夏の陣」

◆三重から輸送してきたヤンマートラクターベースの自走式ライムソワー&鶏糞散布機で圃場にラインを引きながら施肥。

◆そして、おサルのやんぼうが「畝たて同時マルチング」作業を遂行。

◆最後に「マメトラスコッパー」で、マルチの上に土をかぶせてあっという間に作業完了。

◆後は苗を植えるだけだ。

◆ジャグロンズの畝たてマルチ専用トラクター3号機「赤いおサルのヤン坊」。2号機の長期療養中のため、急遽改造が加えられデビューした。

★農業ビジネスでは、イノベーションによるコストの圧縮も大切な着眼点になる。8年ほど前に導入した1号機【クボタBJ13】は誰にでも入手可能な一般的なデバイスだ。所要コスト150万円也。4年前に導入した2号機【ヤンマーKe-3D】は、経費を1号機の1/3に抑えることができたものの持病の油圧不良(虚弱体質)が難点であった。そして、2号機の負傷をきっかけに急遽開発されたこの3号機【ヤンマーYM1402D】通称「赤いおサルのヤン坊」。新品爪交換、含めて総額費用15万円也。

◆この機体、3年前に知り合いの鉄くず屋さんからスクラップ直前の不動の個体を譲り受け、あの手この手を尽くして完全復活させた。しかし、ロータリーの後ろにユニットをつける型式が、旧式(レガシー)のため畝たてマルチャー化には、及び腰であった。

◆しかしこの度、2号機の石によるパンチドランカー化のため、急遽改造を加えられて誕生した「赤いおサルのヤン坊」。パワーは2機を上回る14馬力だが、ホイールベースが、1号機や2号機と比べてわずかに短い。このため、ハンドル操作がもろに後ろの作業機の挙動に大きく影響するため、実際の活用面ではハンドルさばきのテクニックが求められる。

◆改造依頼元「ジャグロンズ藤原」、改造者「大坂鉄工所」。

◆緊急需要に迅速に対応していただいた、大坂勇・純也父子に感謝します。

◆トラクターなどファーム*ジャグロンズ「兎農園」の農業機械は常に「プロボクサーのストレートパンチ」級のショックと戦っている。それは、主に美郷町六郷東根地区に多い大きな「石」によるもの。

◆畝たてマルチトラクターなど、ロータリー耕運を伴う作業機は、常に「パンチドランカー」と背中合わせの状態にある。

◆今回も、普通ありえない22mの大きなボルトの緩みが見つかった。このまま作業をすると大きな事故につながる。重大な発見であった。重大インシデントである。

◆今回のインシデントに至った経緯は、次の通り。ロータリー爪が緩んだときに発する音を察知し、実際に爪の緩みをチェックしたところ、全く緩みは確認されなかった。なぜ、爪が緩んでいないのに音が出るのか?。ロータリーをゆっくり回してみると、左側の爪先が接触するはずのない培土板に接触しているではないか。これにより、トラクターのロータリーと畝たて作業機を連結しているボルトの緩みが発覚、問題のボルトを締めなおすことで大事には至らなかった。

◆今回は、畝たてマルチ専用機2号(かなり古い中古で購入したヤンマーke3D)で見つかったインシデントであるが、過去に重大なアクシデントにつながったことがある。それは2年前のこと、畝たてマルチ専用機1号(新車で購入のクボタBJ13)で、まさに同様の役割を果たす部品が外れて紛失、作業機は故障。5月の連休で部品が手に入らず一週間以上作業ができないトラブルに見舞われた。実際は、かかり付けの鉄工所で、部品をワンオフで作ってもらい数日で強制的に作業を復帰させたのだが、あれには参った。また、あのときに1台しか作業機を持ち合わせていないことの危うさを知った。

◆私たちオペレータは、常に作業機の音に耳を澄ましている。ぼけっと作業していてはプロ失格なのだ。しかし、それは常に緊張状態で向き合うべきものではない。リラックスしてことにあたらなければならない。β波が出る状態ではなく、α波が出る環境で仕事しなければならない。そんな、仕事の中に、何かパズル的、間違い探し的な、知的好奇心を満たす要素が潜んでいる。

◆農業は単純作業の繰り返しである。しかし、同じ作業の繰り返しではない。天候や対象作物の生育過程などにより毎回微妙に作業結果のニュアンスが異なる。奥深いものなのだ。

☆↑一見ボーっと見ただけでは判らないが、このボルトとナットの緩みが「重大インシデント」。かなりガタついている。プロとして、これを見逃すと「ボーっと生きてんじゃねえよ!」とチコちゃんに叱られる。

◆作業規模: 75m畝11本(20.6a)JD60圃場

◆コンディション: 晴天,細土率良好

◆デバイス: Y-US35+SANO,マメトラスコッパー

◆作業員: F&A

◆作業時: 60min(9時-10時)