◆10年前はこんな気候ではなかった。50年に1度の天変地異が日常茶飯事の昨今、今季は三重県でのほうれん草の出荷期間をぐっと短縮することにした。

◆その代わりに、秋は「里芋」、春先は「えだまめ」の生産に本格的に着手することにしたのだ。

◆ネイチャーサーフィンを標榜するジャグロンズ。いよいよ今年の秋のクライマックスを迎える。サーファーにとってのビッグ・ウェンズデイに匹敵するような巨大な台風がやってくる。(台風の歌はこちらをクリック→)https://www.youtube.com/watch?v=1naoDQ7P-B4

◆何もかもボロボロにしてしまう東海地方の台風。だがしかし、台風さん、残念だね!!今年は畑にほうれん草はありませんよ。その代わり、台風にはめっぽう強い「里芋」がお待ちかね。絶対にやられない自信がある。

◆というわけで、畑の野菜は大丈夫。あとは、インフラ設備がやられないよう、明日は対策に万全を尽くしたいと思う。足元をすくわれるわけには行かない。

◆プロの露地野菜生産者としての覚悟。それは、「天候のせいにしないこと」。台風が来ることを前提にこの時期の日本で農業をやっているんだから、甘えるわけにはいかない。

◆それにしても、ワクワクドキドキの週末だ。命だけは失わないように気をつけたい。

☆もう一曲「ナビゲーター」をどうぞ→https://www.youtube.com/watch?v=BfTRYJ29xsc

☆サトイモの収穫を本格的に開始した。

☆↓土の中にある野菜(根菜類)の収穫作業は人力作業では土建屋系の重労働。重機を用いてテンポよく作業を進めることで快適カイテキ。

☆↓60年以上前からこの土地で引き継がれてきた半泥子縁の里芋、青軸小えび系品種「サカエ1950」

☆↓畑に置いた軽トラのいたるところにアマガエルが、、、よし決めた!!農園の名前を改名しよう。ポップでロックな、「アマガエル菜園」。イー~ネッ!!

☆最後にこの曲もいいなあ「夕暮れ」→https://www.youtube.com/watch?v=B3r4I4uhj04

 

●芋を貯蔵するための恒温庫。春まで出荷した残りの訳あり品がそのままのまずい状態になっていた。サトイモのミイラ状態である。

●思い切って、全部廃棄処分し、すべてのコンテナを洗浄することに。

●だいぶ汚れているのでブラシで洗うには1日で終わりそうもない量のコンテナ数だ。そこで倉庫から引っ張り出したのが高圧洗浄機だ。長らく使っていないためキャブレターが詰まっているだろうとびくびくしながら動かしてみると、、、問題なく作動した。

●エンジン式の洗浄機は捗る。しかし、今回はなぜか衣服がびしょびしょになってしまう。水が噴出すはずのないところから噴出しているのだ。

●午前の洗浄作業でいったん作業を中止し、水が漏れるウォーターガンの付け根を開けてみた。やっぱり、そこに問題があった。水漏れを防ぐ働きをするOリングパッキンが、破損してCリングの形になっていたのだ。

●近くのH&G(ハード&グリーン)で、パッキンを購入し装着。午後の部は快適かつ効率的に作業が進んだ。正味3時間の作業時間で約80個のコンテナを洗浄できた。

●これからのサトイモの出荷に向けて、作業は着々と進んでいる。

●農場内には私のイチゴ栽培の師匠である京都府舞鶴市の荒木さんの協力のもと自分たちで作った打ち抜き井戸がある。

●地下水位は約4メートル。水温は17度程度で安定している。地元の霊峰、経ヶ峰(819m)からの伏流水というのが、地元の水道屋さんの説である。

●この井戸の水の出が最近細くなった。自作の全自動シャワーの動作にも不具合が出るようになったので、対処することにした。

●井戸水が使えなくなる原因は、3つある。①ポンプが壊れることによるもの。②井戸がかれることによるもの。③井戸の吸い口が詰まることによるもの。以上の3つだ。

●①の場合、水が全くでなくなる。②の場合、蛇口からゲホゲホと空気が出るような症状が見られる。③の場合、はじめは勢いよく出るが、すぐに水が細くなり、ちょろちょろ状態になる。一度蛇口を閉めて、しばらくするとまた勢いよく出てすぐに細くなるという具合だ。

●間違いない、今回の症状は③に当てはまる。

●早速作ったのがこれ。制作費は、千円でおつりがくる。名前はまだない。

●通常は電動式の浅井戸ポンプで水をくみ上げているが、エンジンポンプでも汲み上げられるように作っているので、そこのコック口(青レバー側)にこれを装着、通常開口しているポンプ側の水路につながるもう1つのコック(赤レバーコック)を閉鎖し、代わりにこちらのコックを開け、コンプレッサーからこれを経由して、一気に地下4メートルまで空気を押し込むのだ。

●たとえて言うならば、ストローで吸っていたタピオカ飲料を、一気に吹きつけてブクブクさせるようなもの。タピオカの粒よりも小さい孔のストローで吸い上げた場合、詰まってうまく飲めない。そこで空気を吹き付けてブクブクしてしまおうという作戦だ。(もっともタピオカ飲料は計算された太いストローで飲むのでこのようなことはないだろう)

●やっぱりな!!思ったとおりだった。井戸水の出が見違えるほど勢い良く出るようになった!!この道具「バブリング注入ユニット」とでも命名しようかな。

●2019年9月29日の出来事である。

☆☆ジャグロンズの農場では、常にサバイバルを意識した生活を実践中。万が一の有事の際には、ぜひ尋ねてきてください。水と食料を準備してお待ちしています。大地震には強いと想定されますが、竜巻とミサイルにはめっぽう弱いと思います。☆☆

▲浅井戸用ポンプ。理論的には地下水位8mまで対応できる。

▲右側の丸い部分が打ち抜き井戸。赤レバーが電動ポンプ側。

▼青コック側にこれを装着。

▼コンプレッサーから引っ張ってきたホースを装着して一気に空気を吹き付ける。

♂こんなふうになりました。バッチシです。

◆2019年、今年の夏はいろいろありました。

◆平成感謝の伊勢市での記帳。

◆秋田の農園への三重県松阪市からの枝豆研修団の受け入れ(通常、視察の受け入れは行っておりません)。

◆世界で一つだけのマシン!!枝豆脱水機の試作機「クアッド・トルネード」の完成。

◆そして、肌寒くなった秋の入り口、私もそろそろ生活の軸足を三重県に移します。

▲▼春先に失ったと思っていた勾玉が夏の終わりにひょっこり現れました。ありがたやありがたや。

▲▼美しさの競演、左は三重県の方、右は秋田県の方、「手入れにはとても気を使っている」とお二方。お二人とも、地肌が青くないのがアウトドア派の証。この映像、もしも芸術が、見る側のイマジネーションを誘発するものならば、私は「空(くう)」または「0(ゼロ)」を感じる。美しすぎるヘアスタイルのひとつだと思う。

▲これが、自慢の「クアッド・トルネード」だ!!ほぼ、オールステンレス製の頑強なつくりの一品である。詳しくは、改めて、記事を載せる予定だ。

★夏の安濃津農園に最も適した作物のひとつが里芋。

★今年で3年目になるジャグロンズのオリジナルブランド「さかゑ姐さんのただ芋」。

★昨季は、貯蔵芋でデビューしたが、今季は秋から出荷を開始する(9月下旬~販売開始)。

★今季は、過去最高の出来ばえだ。

★↑雑草の生育具合を見るとともに、雑草をチップにし緑肥として活用、いよいよ今季もほうれん草生産の準備開始だ!!(2019.9.12 Photo by Jagrons T.F.)

●2019年夏、「ファーム*ジャグロンズ兎農園2019夏の陣」がほぼ終了した。暑い中、少数精鋭で望んだ今年の実績は、技術的に大きな進歩があった1シーズンであった。
●さて、長年「夏の陣」に参戦してくれている秋田の複数のスタッフから、一泊の温泉旅行の希望が寄せられた。これに応えるかたちで2019年9月9日~9月10日にかけて23時間の短い間であったが「兎農園」史上初めての温泉ツアー開催を敢行した。
●戦国の武将たちは、戦の後に傷を癒すために温泉地に通ったという。夏の陣参加者のうち一部の有志が志願し、私たちも傷を癒すために温泉に向かったのである。
●向かったのは山形県最上町にある瀬見温泉「四季の宿まごろく」さん。比較的近いけれども秋田県外で行ったことのない温泉地というのが選定の基準。
●宿泊コースはリーズナブルなコースを選択したが、夕食には喉もとでとろけるおいしさの地元産最上牛のステーキや地元で取れた鮎の塩焼きのほか、おいしいものが次から次へと出てきて十分豪華な料理だった。
●全員お酒を飲まないメンバーだったが、会場で借り受けたカラオケシステムでたまたま私が歌った和製ロカビリーソングにあわせて、往年の若者であるスタッフの皆さんがツイストで踊りだす場面もあり大いに盛り上がった。
●4階の大浴場の浴室内はサウナ状態で暖かく、比較的熱めのお湯との温度差が小さく、効率よく温まるお風呂で私は大変気に入った(3回入りました)。
●朝食は、10皿の豊富な種類を楽しめる心のこもった料理の数々、これまで利用した宿泊施設の朝食で一番おいしい朝食、いや、人生で一番おいしい朝食だった。これも◎。
●義経弁慶伝説の「瀬見温泉」、「最盛期は12軒あったという宿泊施設も現在は6軒になってしまったんですよ」と「四季の宿まごろく」の女将さん。
●泉質は、やさしく透明で綺麗なあったまる温泉。泉質はまったく違うのも兵庫県の有馬温泉に似た「大人の隠れ処」的風情をまとった素敵な温泉地であった。

★↑女将さんが笑顔で出迎えてくれます。「四季の宿まごろく」さんのHPはこちら→ http://yado-magoroku.com/

◆2019年9月7日 AM7:00  in ファーム*ジャグロンズ兎農園

◆2年前まで、枝豆生産の最前線で活躍してきた収獲機が、その役割を終え、次のオーナーのもとへ旅立った。

◆枝豆収獲機、(ツインズ)、愛媛県の生産者から譲っていただいた1号機、そして宮崎県の農業法人から譲っていただいた2号機。ともに次の新天地、北海道真狩村に向けて旅立った。

◆次のオーナーになられるのは、北海道真狩村。札幌、富良野、夕張と並んで有名なのは、かの演歌歌手「細川たかし」さんの故郷だから。

◆後継者の若い息子さんと二人三脚の枝豆生産に取り組む藤川さん。まずは2ha規模からのスタートということで、本機の活用を決意されたとのこと。今後のご発展をお祈りします。

 

★↑はるばる北海道からいらした、藤川さん(お父さん:左)とメカニックアドバイザーの木下さん(右)

★↑ダブルキャビンで来られたので、乗らないのではと一抹の不安を抱きました。

★↑しかし、木下さんは只者ではなかった!!

★↑ぴったり乗せて北の大地に帰ってゆかれました。えだまめ生産関係者として今後ともお付き合いのほどよろしくお願いします。

 

●日本農業のお家芸、稲作農業。日本で稲作が始まったのは、歴史を遡ること弥生時代。そのころは、手で稲穂を収穫していた。そして私が生まれた昭和40年代は、農業に初めてエンジンが用いられた昭和30年代から始まる稲作農業の機械化が大きく進み出したところであった。そして、現在、移植栽培を中心とした稲作の機械化一環体系技術は、成熟の極みに達している。

●エダマメの生産技術は農業の中でもとても厄介な技術の部類に入る。キャベツや大根、ねぎなどに比べて作業が複雑で、機械化がまだまだ遅れている。現在主流の脱莢機を活用した収穫調整作業は、稲作で言えばまさに昭和40年から50年にかけての時代と同じ辺りを迷走している。

●エダマメは近年その栄養価値と日本の食文化が注目され、「Edamame Beans」として海外でも人気上昇中と聞く。

●エダマメ、ダイズは、全国的に作られているが、その土地によって作物学的に栽培に適した場所とそうでない場所がある(有原丈二,ダイズ安定多収の革新技術,農文協,2000より)。有原は、ダイズの生育の前半と生育の後半を2つのフェイズ分けて考えたとき、「前半、または後半のいずれかの生育ステージでダイズの生育環境に好適であればその土地はダイズ生産の適地を言える」としている。

●このような視点から日本には、2つの生育ステージのどちらもダイズの生産には不向きな土地「不毛の土地: Barren land」や季節がある一方で、両方を好適栽培環境で満たす土地「ドリームランド」もあるといえる。

●有原の著書によると、「秋田県県南地方は日本屈指のダイズの生産好適地」、すなわち、「ドリームランド」。ということになる。大豆と生物学的に同じ植物である野菜「エダマメ」ももちろん、生産に取り組む上での「ポールポジション」的優位な環境にあるといえる。私たちは2年ほどの準備期間を経て、2011年の兎年に「ファーム*ジャグロンズ兎農園」を立ち上げ、「美郷のうさぎ」と「月兎豆」の2つの兄弟オリジナルブランドえだまめをリリースした。

●準備期間当時の生産技術は、稲作技術でいうと、まさに「弥生時代」からのスタートであった。ここ十年足らずの間に、「ドリームランド」でのスタートだけでなく、時代の追い風の幸運もあり一気に現代の稲作農業技術と同等のレベルまであと一歩のところまできたような気がする。秋田でのエダマメビジネスを生産と販売面で目標とする段階まで達したら、私には次のステップへ進む夢がある。全国でえだまめを作ることである。その第一歩として、三重県津市で生産に着手したい。私が作りたい三重県産のブランド枝豆は「○っ○まめ」というエダマメだ(まだ未発表なので○○とさせて頂きました)。夢を実現するにはどのように考えどう行動したらよいのか。それを考える毎日である。

★↑秘蔵動画をどうぞ!!

 

●ファーム*ジャグロンズ「兎農園」の草創期にエダマメ生産事業の中核を担ってきたデバイス、ミツワエダマメ脱莢機KX-H3が昨年で役割を終え先日、次の主のもとへ旅立った。

●20アール規模から6ヘクタール規模までの面積拡大の中で、中核を担ってきたエダマメ脱莢機は、所有する歴代4モデルのうち現行型から若い順に3台がすでに旅立っていった。1台は、岩手県、もう一台は宮城県、そして、本機は山形県で次の人生を迎える。皆さんに大切に使ってもらえよ。

●♂山形から引き取りに見えた佐藤さん(2019年08月19日)。今後のエダマメ生産のご発展をお祈りします。

●ジャグロンズの基幹技術、セル苗移植機「センジュキャノン」の製造元である徳島県の沢田機工さん。

●私たちのニーズに対応していただき、常にオーダーメイドの製品を作っていただいている。

●今回、エダマメ移植機4号機の製作を依頼し、納品のため直接秋田まで来ていただいた。

●短い滞在時間でしたが、美郷町のニテコ清水、仙北市にある田沢湖、そして秘湯、乳頭温泉「鶴の湯」をご案内させていただいた。

●武澤さんありがとうございました。

 

※深さ423m。田沢湖は日本一深い湖として知られている。

※↑高校生のころ、駅伝大会でここを走った思い出がある。

※↑田沢湖高原「みずばしょうの群生地と残雪」