☆↘益荒男ほうれん草「ゴールデンタイプ」

●「お久しぶりです。先日、新宿伊勢丹地下で藤原さんのほうれん草を見つけました。ずっと続いていたんですね。すごい。塩谷」

● 昨日、懐かしい方からメールを頂いた。青森の塩谷さんからだ。

● 益荒男ほうれん草が誕生して間もない頃、公的支援を受ける中で、サポートを頂いた先生で、現在は大学の先生をされている。

● 伊勢丹新宿店は「益荒男ほうれん草」が世の中にデビューした記念のお店。デビューに当たっては、伊勢丹新宿店バイヤーの村山慎一さんとの出会いが大きかった。

●前職の研究所時代に開発したオリジナルの栽培方法とそれに伴う「内部品質的優位性」と「外観的不完全さ」、長所を伸ばして、短所を最小限にとどめる。このために提案して頂いたのが、「ほうれん草の量り売り」販売である。

●量り売り方式は肉と同じ販売方法。現在も「日本で唯一」、いや、「世界で唯一」益荒男ほうれん草の量り売りを実施しているお店は、伊勢丹新宿店の地下生鮮売り場だけである。

●あれから10年、変わらず継続してお店に並んでいる「益荒男ほうれん草」をご覧になった塩谷さんは、「すごい」と言ってくださった。

●しかし、何も変わらなかったわけではない。5年目には、それまでのほうれん草とは全く異なる前衛的なほうれん草「ファイブ・スター5☆」をリリース。これも、伊勢丹新宿店で新作デビュー。積極的に取り扱って頂き、今日の益荒男ほうれん草の人気商品の1つとして認知されるようになった。

●今でも心に響いている村山さんの言葉がある。「値段は下げなくてもいいから、もっともっと素晴らしいものを目指して下さい。」それは、「あなたにしかできないほうれん草づくりを追求して下さい。」と言い換えて捉えることができる。

●今も私は、今日のほうれん草に、満足と不満を抱えながら、ちょっとだけ遊び心をスパイスとして加えて、明日の益荒男ほうれん草づくりに邁進している。

☆↗益荒男ほうれん草「アフロタイプ」

☆↘益荒男ほうれん草「ファイブスター5☆タイプ」

■金曜日の開店から約4時間、サトイモ「さかえ姐さんのただ芋」の初めての店頭販売に挑戦した。ほうれん草は売り切れ状態のため今回はサトイモに専念することになった。

■お客さんに知ってもらいたいのは、この芋の持つ歴史と先人の想いを伝えること。このとき私は講談師になる。お客さんがいようがいまいが、淡々と朗々と話を続ける。そうするとなぜかお客さんが寄ってくる。

■「このお芋のお話をしているの?」、「はいそうです」。そして、小芋をふかした「きぬかつぎ」を食べてもらう。きめ細かい舌触り、そして粘りとコクがこの里芋の特徴だ。

■三重では、サトイモの事を「ただ芋」というんです。秋田では「いものこ」といいます。農園独自の地下貯蔵恒温庫で貯蔵することで、出荷前の機械洗浄に耐えうるように芋の表面を魚の干物のように硬化させるんです。これは、お客様が芋を洗わなくてもいいように、そして短時間で調理がすむことを目的に工夫したものです。具体的には15分から20分で料理できるようにしています。

■小さな芋は、ふかし器で蒸して15分で出来上がり。皮をむいて塩やしょうが醤油をつけて食べるのが「きぬかつぎ」。

■大きい芋も20分程度で、皮が簡単にむけます。それから、平行して準備をしていた「雑煮」や「いものこじる」にいれて、ハイ!!出来上がり。

■東京では、100g程度の大きさのいもの需要があるようだ。しかし、「さかえ姐さんのただ芋」の品種「サカエ1950」という芋の作り方は、小芋をたくさんつけるつくり方。大きい芋の割合は親芋を除けば2割程度だ。名古屋のお客さんは、小さい芋の楽しみ方もご存知のようだが、東京の皆さんにも知ってもらいたいと考えていた。

■あえて試食に用いた芋は、20g程度の小芋だ。これを見た、お客さんの一人が懐かしそうに語ってくれた。「亡くなった父親がいつも好んでそれを食べていたのよ」。「出身はどちらですか?」と私。「生まれも育ちも東京上野よ。」地元の方だ。「その一番小さいのがほしいわ。」、「今回は小さいのは試食限定で販売はしていないんですよ。」「そう、残念だわ。」そういって40gサイズの比較的小さい芋が入ったロットを購入していただいた。

■どうやら、小さい芋の需要もありそうだ。店長にお願いして次回からは、小さい芋のロットも少量入れて出荷させていただくことにした。

■作品(商品)の情報をお客様に伝えること。そして、お客様の反応も含めて、お客様の情報をいただくこと。これがジャグロンズのなすべき仕事だ。

■伊勢丹新宿店のスタッフの皆さん、今回も大変お世話になりました。今年は、えだまめ「月兎豆」の店頭販売にも「日帰り」で挑戦したいと考えています。よろしくお願いします。(秋田の日帰り、出来るかな~?)

 

※↑店内は撮影禁止のため農園内で撮影した写真です。

◆本日の東京日帰り出張、「益荒男ほうれん草」の生産者直売会in東京新宿(伊勢丹新宿店地下1F)、無事終了しました。多くの皆さんに来ていただきありがとうございました。

◆今日は、東京の明治大学で園芸学会春季大会が開催されていたことから、参加者のため上京していた、京都の福永さん、それに和歌山県の花田さんに寄って頂きました。ほうれん草の購入ありがとうございました。

◆そして、赤坂にある西洋料理店「東洋軒」の吉川シェフもわざわざお店まで足を運んでいただきました。これまで、電話でのみのやり取りでしたが、初めて直接お会いすることができました。今後とも宜しくお願いいたします。

※↑昼休憩で立ち寄った伊勢丹新宿店近くの花園神社では、骨董市が行われていた。

 

◆2019年3月24日(日曜日)、明日10時30分より、5時までの約6時間。東京新宿にある伊勢丹新宿店地下1階青果売り場にて、生産者による「益荒男ほうれん草」店頭販売会を行います。

◆今回の目的は、新作の益荒男ほうれん草「ルネサンス」の情報を多くの皆さんに知っていただくこと。そして、お客様に直に接して世の中の流れを肌でつかむこと。

◆今シーズンは2回目になりますが、1回目のときのお客様とのやり取りのなかで、HPで告知して欲しいとのご要望を頂きました。そのときのお客様に見ていただけるかは分かりませんが、約束なので投稿させていただきました。

◆私の現在の仕事のメインは、「作り手」なので、仕事の都合で今回は日帰り出張ですが、こうして、お客様との交流の場を頂ける現状に対して、新宿店の小林さんをはじめ、関係するすべての皆様に感謝しております。ありがとうございます。

◆あと25時間後に、東京でどんなお客様とお会いできるか楽しみです。

◆朝5時に起床、5時半の電車で津から名古屋まで移動。朝飯は名古屋駅のきしめん。

◆新幹線「のぞみ」で東京まで。東京からは都営地下鉄丸の内線で新宿三丁目駅で下車。そこはもう伊勢丹新宿店の入り口だ。10時30分到着。無事お売り場の朝礼に間に合った。

◆地下1階の青果売り場は、ジャグロンズのほうれん草が「益荒男ほうれん草」という名前で初めて販売された記念すべき「お売り場」だ。あれから10年、今回は、小林店長の計らいで朝礼でスタッフの皆さんに私から一言ほうれん草の紹介をさせていただく機会を頂いたのだ。

◆今回の「益荒男ほうれん草」は「ゴールデン」タイプ。実は既に、名前を隠した状態で、伊勢のサークルの仲間に食べてもらう密かなモニタリングを実施。30サンプルのうち1件熱狂的な支持の感想を得ることができた。定性マーケティングとしては、上々の反応だ。

◆以前バイヤーさんから教えていただいたことがある。「益荒男ほうれん草」のような、コモディティー商品(生活必需品)としてのほうれん草のカテゴリーから逸脱した商品を購入してくれる人の割合は、伊勢丹新宿店のようなプレミア志向のお売り場では80人に1人(村山バイヤー)、マックスバリューでは、2000人に1人(白塚バイヤー)と言われている。予備マーケティング調査では30人に1人だからかなりいけるはず。

◆今回は、「益荒男ほうれん草」ゴールデンタイプを12kgを準備した。「益荒男ほうれん草」は伊勢丹新宿店唯一の量り売りほうれん草、1kg当たり2000円というお肉のような価格での評価を頂いている。にもかかわらず5時間程度でほぼ完売してしまった。しかし、今回は、完全に私の失態。準備する量が足りなかった。

◆生産者のこだわり(ストーリー)と生産物のスペック(データと体験)をお客さまに伝えることができれば、まだまだ「益荒男ほうれん草」は、多くの人の支持を得ることができる。あとは、このことを多くの人に伝える伝導師(エバンゲリスト)の育成が必要だ。

◆現状では野菜の専門家でも、「益荒男ほうれん草」の解説をするのは困難だ。なぜかというと、「益荒男ほうれん草」は私、藤原隆広が創り上げた創作野菜だから。早急に、これまでのコンテンツをまとめて、更なる「益荒男ほうれん草」に関する情報の発信を急がなければならない。

◆本日は、日本のお客様はもちろんのこと、英語のお客様、中国語のお客様ともなれない外国語でコミュニケーションをとることができ大変刺激的な一日を過ごすことができました。伊勢丹新宿店クイーンズ事業部青果売り場の小林店長をはじめ、鈴木さん、古賀さん、そして野菜ソムリエの小島さんには大変お世話になりました。ありがとうございました。

◆新宿から東京まで、丸の内線で移動、東京駅17時44分発の秋田新幹線に乗り無事21時3分大曲駅着。外は一面真っ白な粉雪に包まれていた。

※↑左から山形県産、三重県産、京都府産。左側ほど東洋種の特徴が強く、右側ほど西洋種の特徴が強く現れている。

※↑これが「赤根ほうれん草」山形県高畠町産だ。

※↑これは「京都瑞穂ほうれん草」京都府瑞穂町産。

※↑そしてベンチマークほうれん草は「益荒男ほうれん草」。これは「ブラックタイプ」三重県津市安濃町産だ。

●2018年11月28日に新幹線で三重県から東京に日帰り出張した。

●お取引先様である伊勢丹新宿店のデパ地下生鮮売り場に立ち寄らせていただいた。

●長年お世話になっている小林店長が、「ちょっとこれ食べてみて」と紹介してくれた(試食させてくれた)のが、山形県産の「赤根ほうれん草」。知ってはいたがはじめて目の前にした。

●生でかじった感じでは、苦味がなく糖度10度前後と思われた。どうしても数字を出してみたい。「ほうれん草マニア」の血が騒ぎいくつかのほうれん草を購入した。

●購入したのは、山形県産「赤根ほうれん草」、三重県産「益荒男ほうれん草」、京都府産「京都瑞穂ほうれん草」の3つ。3袋の合計購入金額は1625円なり。

●京都府産のほうれん草は、売り場で一番高いほうれん草だ。今から17年前に私が京都府綾部市にある農林水産省の研究所でほうれん草の研究に着手した際の想定生産現場でもある瑞穂のほうれん草(ハウスものと思われる)。税込価格1袋702円だ。

●山形県産のほうれん草は、通常のほうれん草の外観を超えた太い赤根が特徴だ。腋芽が多く、じっくり寝かして作られたほうれん草とお見受けした。固定種の日本ほうれん草で病気に弱く作りにくいといわれているが、山形県の冬は三重県よりも一足早く来る。色が山吹色で根が赤い特徴は、ジャグロンズの益荒男ほうれん草の中では「ゴールデンタイプ」に極めて近い。※ゴールデンタイプはF1ハイブリッド種子だが、かなり古い品種で「べと病」に弱い。そのため三重県産では、1月中旬から2月上旬にしか出荷できない。

●三重県産のほうれん草は「益荒男ほうれん草」。ベンチマークとして購入した。農場に有るものと出荷してお店に並んでいるものでは品質が異なる場合があるので、あえて、販売現場から調達した。「益荒男ほうれん草」のみ、肉などの食材と同じ量り売り販売である。産直のほうれん草をお店のバックヤードで袋入れしていただき、グラム単価(現在は100gあたり200円)で販売するスタイルは、伊勢丹新宿店のみのこだわりの販売スタイルだ。店頭販売時の外観の美しさは生産者の私も満足ものだ。現在出荷されているのが、「ブラックタイプ」。暖冬のため、まだまだ糖度は上がりはじめたばかりだで、三重の農場からは葉柄基部の糖度が7度(Brix%)前後で出荷されているが、売り場ではどのような状態になっているのかが気になるところ。

●糖度の計測結果は次のとおり。京都府産2.1度(Brix%)、三重県産6.8度(Brix%)、山形県産11.8度(Brix%)。京都産に関しては、ハウスもののほうれん草は、糖度が上がりにくいが、外観の美しさや揃いのよさが特徴だ。また、やわらかさでは3つの中でもっともやわらかいので、しゃぶしゃぶもいけると思う。糖度が低めなので砂糖が入った「ごまだれ」で食べるのがお勧めである。山形県産は、やはり、お砂糖なしでそのままだ。生でサラダでもいけると思う。そして三重県産の「益荒男ほうれん草」。甘いほうれん草としての認知度が一人歩きしてしまっているが、ほうれん草としてはかなりいいバランスで仕上がっている。現在は「おひたし」が最もおいしく食べていただけるお勧めの調理法である。

●今回お忙しいところ対応していただいた小林店長、野菜担当の鈴木さん、阿部さん。ありがとうございました。今シーズンもよろしくお願いします。