◆藤原ゴルフ、藤原なんとか、藤原〇〇、藤原△△△、藤原だらけの街、三重県員弁市藤原町。私は藤原隆広。名前は聞いたことがあったが初めて藤原町を訪ねた。そこに今回の目的地、農業公園レストラン「フラール」があるからだ。
◆朝早く起きて、松阪まで秋田から冷蔵輸送されたほうれん草を引き取り、一気に北上、菰野町へ。そしてさらに北上、あと少しで「関ヶ原」があるところまで移動した。津市からはかなりの距離があった。
◆今回は、1週間前に起きた物流事故の検証と、ご迷惑をかけた北村さんへのお詫びの行脚でもあった。行脚と言っても今回は時短のために最も早い愛車ホンダ「アコード」を使用。
◆地産地消というよりも、適地適作を優先するジャグロンズの農業では、農産物を作ること以上に、それをできるだけ良いコンディションでお客さんに届けることができるかといった物流の組み立てが重要だ。物流とその実際を一度現地で確認する良い機会だと感じてアクションを起こしたのだ。
◆北村さんには、だいぶ昔、何かのご縁で私の作る「益荒男ほうれん草」を気に入っていただき、以来毎年ほうれん草を活用していただいている。北村さんは、よくラヂヲの番組などにも出演されている有名シェフ。いつも合うときはスーツ姿の先生としての対面だったが。今回は、初めてレストランを訪ねて、プロの料理人としての素顔を見せていただき新鮮な気持ちでお話できた。
◆なんかこの公園、いろんなワクワクが潜んでいそうだぞ。そう感じていたら、「そこのハウス好きに使っていいからここでも農業やってみないか?」と北村さん。確かにこの「居抜き物件」はいいね。しかし、思いつきでは行けないので、「宿題として頂いていきます。」とお返事させていただいた。
◆犬も歩けば棒に当る。タッカーも歩けばなんとやら。。。これからも、自分の足で動いて、自分の目で見て感じたことを材料に、これまでになかった多くのひとがワクワクするような取り組みにつなげてゆきたい。
◆帰りの道すがら、見覚えのある風景で、道を進むと。なんとそこには、マッキーさんの「ふるさと農機」(菰野町)があった。今日は日曜日で、営業はしていなかったが、桃源郷を再度訪れたような懐かしい気持ちになった。

2020年11月29日JagronsT.Fujiwara

◆今年もやります2020ジャグロンズ三重冬の陣
◆今年のファーム*ジャグロンズ三重農場はスロースタート、秋田と三重の農場をリンクさせてほうれん草を生産出荷。いわば農場版「2足のわらじ」作戦。これで、50年に一度の天候不順によるリスクを回避します。
◆この作戦、客観的にみると、大変だなーとなりますが。ポストコロナ時代は、主観的に前向きに過ごして幸せになる時代だと思います。自分のぺースで無理をせず、直面した現状を楽しむ。これにつきます。
◆三重の皆さん、今年の冬もよろしく!!

★ファームジャグロンズ三重農場からの風景☟▲センターが青山高原、▲左が長谷山、▲右が経ケ峰(819m)

★☟農場自慢の簡易水洗式水ツイントイレ。シーズン初のトイレ掃除も終了!!後光が射してます!!

◆おまけ動画☟★ネーチャーレポート(ヒヨドリの大群)★
◆解説:ここは三重県津市丸之内。トワイライトゾーン?ヒッチコック映画の「鳥」のように襲ってはきませんが、最も恐れなければならないのが「うんこ爆弾」。尿酸を主成分とする小さな爆弾が、地上へ剝けて放たれる。単発のカラスのうんこ爆弾よりも威力は小さいものの、上空の無数の発射口から放たれるためたちが悪い。かと言って上ばかり見ていたらこの交通量、足元を救われる。「空」と「地上」細心の注意を払いながら生き抜く必要がある。

★三重農場は、県庁所在地の三重県津市の中心部☟から車で15分程度の良好なロケーションにあります。

★☟毎日が限りなく「ヒロシ」さんの一人キャンプ状態に近いサバイバルライフでは、伊勢湾で捕まえてきた魚も重要なたんぱく源だ。(赤いのがガシラ、黒っぽいのがタケノコメバル。これから師匠に弟子入りしてさばき方を学びたいと考えている。)

 

◎先日、愛知県田原市のキャベツ専業農家、河辺知哉君から、手作りのタカミメロン(貴美メロン)が届いた。
◎河辺君は、私が研究所の新人研究員だったころ、研究所の養成研修所(短大のようなところ)の研修生として、私の研究室に所属していた。そして、一緒にキャベツの害虫・病気や、品種、土壌肥料など、色んな専門家を訪ねていろいろとキャベツ栽培に関する多くを学んだ、キャベツ栽培の最も頼りになる盟友だ。
◎河辺君は、1年間のうちで、7月だけ、キャベツの栽培、出荷を休む。そして。メロンを作る。河辺君、たくさんのメロンごちそうさまでした。ありがとうございました。
◆ところで、「貴美メロン」をちょっと、ググってみた。そしたら、なんと、伊東正先生が理事長を務める日本園芸生産研究所(現在:園芸植物育種研究所)で育成された品種ではないか!!北海道から九州まで広く栽培可能で、薫りが高く、糖度が高いおいしい品種だが、外観がよくないのが「玉に瑕」そんな品種との解説がある。私が作りたくなるような品種のメロンだ!!
◆伊東正先生には、千葉大学の教授をされていた時に、学位論文の指導教官を引き受けていただき大変お世話になりました。あれから20年がたちますが、現在もお元気で活躍されていらっしゃるようです。私も、身を引き締めて「初志貫徹」頑張りたいと思います。
◆また、大昔、日本大学の学生だった頃の卒論のテーマが、「アールスメロン」に関するものだったことを思い出した。現在の、本業を極めたら、いつかまた私も自分で「貴美メロン」を作って見たいなぁ。

★どうしても、人生に悔いを残したくない。そんな気持ちで今年はキャベツづくりを始めてしまった。季節限定のキャベツづくり。それも秋田県で。

★私のプロとしての野菜作りは、平成6年の秋に遡る。野菜・茶業試験場生理生態部作型開発研究室に新人研究員として配属になって初めて取り組んだ研究対象野菜が「キャベツ」。そして約7年間であったが、キャベツづくりに関してはだいぶマニアックに取り組んできた。

★現在、私が経営する秋田の農業法人の作付面積は15haほどある。私が目標とするエダマメの経営栽培面積は20haであるが、2年後は23haほどになってしまう。時代の趨勢に従い、余剰面積を私の得意な野菜の栽培でカバーしようと考えた結果、いよいよキャベツ栽培の開始!!と来たのである。

★今回のキャベツは、自分で販路の開拓は行わない。出荷先は、お隣のJAふるさと農協さん。加工用キャベツというジャンルに取り組む。今年は30aほどの面積からスタートする。

★現在、私の農園圃場は大きく千畑エリア、六郷エリア、仙南エリア、大曲エリアの4つあり、圃場数は104か所ある。千畑、六郷(農場本部の所在地)、大曲の各エリア(10ha)はJA秋田おばこ農協の管内に属している。そして仙南エリア(5ha)は、JA秋田ふるさと農協の管内だ。

★仙南エリアで知り合ったトマト部会の部会長さんからの紹介で、秋田ふるさと農協の野菜担当の傅野さんという方にお会いし、そのパッションに私と通づるものを感じ、早速、私の農業法人を秋田ふるさと農協に組合員として参加させることを決定した。

★7月10日は午後の半日で、約12000本の苗の定植を完了。乗用型の移植機は平成8年式の旧式だが、半日かけて不具合を調整した結果。素晴らしい働きを見せてくれた。この地域ではほとんど見かけない珍しいものが動いているので、近くの人が集まってきて、さながら機械の展示会のような感じになる一場面もあった。

★キャベツなら、面積を増やすのはエダマメよりもたやすいので、5haくらいはすぐにでも作れる。あとは、販売面でJAの底力を発揮してもらえるように祈るのみだ。

★今回栽培するのは、地域の標準品種の「あさしお」、それに東海地方ではスタンダードですが、北東北地方ではほとんど栽培されていないと思われる「YRしぶき2号」&「松波」です。大阪や広島のお好み焼き屋さんに喜んでいただけるような、チョー、ハードボイルドなキャベツが出来上がることでしょう。

★↑↘見てください!このフォルム!完璧の出来栄えです!教科書に載る程の見事な3.5葉苗!T/R比が小さく、植え傷みし難い硬い苗に仕上げました。

農研機構の浜本浩(正式には濵本浩)さんが、13日(月曜日)に急逝した。

1960年生まれで私より10才年上。私が農林水産省に入省した25年前に安濃で出会ったのがご縁の始まりである。まだまだこれからもう一花咲かせることのできる若さであっただけに惜しい、悔しいの気持ちがこみ上げてくる。

浜本さんは野菜の栽培系研究のプロパーで、日本発祥の農業技術である、ベタがけを活用した野菜栽培研究の第一人者として、また、施設園芸における人工光を活用した、生理生態学的研究の草分けとして活躍してこられた。浜本さんの研究の成果はジャグロンズのほうれん草づくりにも活かされている。

数年前から、研究の現場から離れていたが、今年は研究の現場に復帰して、新しい希望を持って仕事に取り組み始めたばかりのときだったと聞く。

浜本さんの、親しみやすく、研究者としての柔軟性と、包容力を持った人柄は、多くの後輩研究者から慕われる存在であった。

近畿中国四国農業研究センター時代、同じ野菜部(京都府綾部市)の職員だっとき、当時研究室長の浜本さんから、うちの研究室に来ないか?と冗談半分にスカウトを受けたことを懐かしく思い出した。研究者として、先輩研究者からスカウトされるということは大変光栄なことなので嬉しかった。

昨年お会いしたときには、将来定年して自由になったら是非ともジャグロンズの特別顧問としてコンテンツづくりと情報発信のお手伝いをして下さいと、冗談交じりの本気でお願いしていたところだった。

京都府綾部時代は、家族ぐるみのおつきあいを頂いた。私の息子と浜本さんの息子さんが同い年だったことから、当時本当に良くしていただいた。

5年間の京都時代だけでなく、私が退職してジャパン・アグロノミスツという農業事業に取り組んでいるときも何度となく、津市にある職場にお邪魔して、色んな情報を提供していただいた。

今回の出来事は、私達が思う以上に、浜本さん本人自身が一番信じられないと感じていると思う。人生何があるのかわからない。

本日、参列させていただいた告別式では、15年ぶりに見る見事に立派に成長された息子さんが、人目をはばからず号泣する場面があり、私ももらい泣きしてしまった。

浜本さんが過ごした家族との濃密な時間と息子さんに注いできた愛情の深さを感じた。心からそれを感じた。お父さんの思い出を大切にしてこれからの人生を乗り切っていってほしい。

最後に、浜本さん、今日はお別れしましたが、もしかしてまた生まれ変わって会えるような気もします。その時を楽しみにしております。さようなら。

浜本浩さんのプロフィール★

農林水産省に就職後一貫して野菜の生理生態学研究に取り組む。

野菜のベタがけ栽培に関する研究で農学博士号(千葉大学)を取得。

最近はLEDなどの人工光を活用した野菜の生理生態学的研究で活躍。

◆「益荒男ほうれん草」秘伝File003 数値で紐解く!!その3《アスコルビン酸含量と硝酸イオン濃度》

★ほうれん草のこの2つの品質成分にに関しては、過去に、かなり詳しく掘り下げました。ちょっと、大変ですが今回は私の世界の深〜いところまでご案内します。

★その前に、少しだけ浅〜く「益荒男ほうれん草の実力」のビタミンCと硝酸イオンに関する解説をさせて下さい。

●葉物にもかかわらず、益荒男ほうれん草のビタミンC含量は156mg/100gFWとイチゴの2倍の量を含んでいました。サラダで食べると効率よく摂取することができますが、アクが大敵!!

●これに関しては益荒男ほうれん草の硝酸イオン濃度は、なんと市販のほうれん草の25分の1!!驚異的な少なさです。生で食べてもアクを感じないわけですよ!アクの成分は硝酸イオンとシュウ酸イオンなどからなると言われていますから。

●実は硝酸イオンを出荷前にぐっと落として絞ってくるというのが益荒男ほうれん草を作っている「畑の魔術師」タッカーのマル秘テクニックなのだ。以上、益荒男ほうれん草の実力に関する解説は終了!!それでは、深い世界へ、Let’s go !!

★内容とテキスト量ともに、これまでにないボリュームです。気合を入れて読む必要があります。入り口にいるあなた!!頑張ってください。

★先ずは、園芸学研究に掲載された私の論文を紹介します。そこに、ディープな世界があるからです。下記の水色のイタリックボールドテキストをクリックしてください。そして、PCの画面、またはプリンターでプリントアウトして読んでみてください。

★眠れない夜にピッタシの内容ですが、最後まで読んだらあなたも「ほうれん草ツウ」。自信を持ってほうれん草マニアを公言してください。

タッカーの原著論文2005園学研347

 

《ちょっと、寄り道。研究時代のエピソードに関するコラム》

★はじめに★

●私は、約12年間の研究所時代、合計40回近くの学会発表を行いました。そして30報以上の原著論文を発表し、うちファーストネームで発表したのが19報。今回紹介させていただいた論文は、私の本流の研究の内容ではありませんでしたが、今になってみると国会図書館に保存されている私の論文の中で最も多く引用されている論文になっていることがわかりました。

●今回のコラムでは、この論文にまつわるエピソードを紹介します。

★研究の経緯★

●平成13年から18年にかけて、私は主任研究官として在籍した農林水産省 近畿中国四国農業センター(現・西日本農業研究センター)野菜部野菜栽培研究室で、中山間地及び都市近郊農業の振興のための野菜の栽培技術研究がに取り組みました。更に詳しく言うと「ほうれん草を中心とした葉菜類の品質向上のための栽培技術に関する研究の遂行」、それが私に与えられたミッションでした。

●しかし、どこを探しても、生活者が実際に消費している野菜の品質に関する詳細な調査は行われていません。そこで私は、実際に街で売られているほうれん草を購入して、人体への健康の面からプラスの成分であるアスコルビン酸(ビタミンCの物質名)とマイナスの成分である硝酸イオン濃度の2つを周年調査させてくださいと研究室長である上司の熊倉裕史さんに、直訴しました。

●私の研究室のミッションは、栽培技術の開発とうい縛りがありましたから、この調査に研究室の研究費は使えません。そしたら、なんと、ほうれん草を購入する費用を熊倉さんのポケットマネーから私費で出して頂いたのです。さらに、パート職員の大田智美さんは、仕事が終わってからの勤務時間外で、ボランディア活動として複数のスーパーを回って出回っているすべてのほうれん草を買ってきてもらえたのです。

●私の思いに共鳴してくださった私と同じ戌年で一回り先輩の熊倉さん、大田さん。このような両氏のご協力がなかったらこのコンテンツという財産を世の中に残すことはできませんでした。感謝しています。

★発表時の反響★

●当時、研究者として乗りに乗っていた私は、学会発表する前に論文を投稿していました(普通は、学会発表を終えてから論文投稿の準備に取り掛かることが多い)。

●論文審査中にどこかの大学で開催された園芸学会で口頭発表に望みましたが、実際の発表会場にはそれまでに見たことのない人数のオーディエンスが優に100人超え。この内容に対する関心の深さを改めて感じたことを昨日のように思い出します。

●ところが、この発表を仕切っていた、チェアマン(九州地方の国立大学の大御所教授だったと思います)が、私が発表を終えるやいなや、一方的に研究内容を批判する発言で一蹴したのです。反論のチャンスも与えられず、私はがっかりしました。

●しかし、捨てる神あれば拾う神あり。学会誌への投稿論文の査読のレフェリーが、内容を理解して前向きに応援してくださるコメントを多数くださいました。そして、合格!!2005年に晴れて学会誌「園芸学研究」に掲載されたのです。

●投稿論文の審査は、2人の覆面レフェリー(覆面レスラーではありません)が、内容的、論理的に厳しいチェックを行います。国公立の研究所からの投稿では、大学の教員がレフェリーになることが多いのですが、どなたがレフェリーだったのかは私にはわかりませんが、審査してくださったレフェリーのお二人には感謝しております。

★発表当時の私の思い★

●論文の中身に関しては、今回はあえて解説しません。しかし、今回紹介させて頂いた、原著論文の考察の最後にある、「生産者は来るべき日に備えて、高品質で成分変動の少ないほうれん草の安定生産に取り組む必要があろう。また、同時に研究と技術開発の成果をこれまで以上に生産現場へ活用することが、産業をしての競争力のある強い日本の農業生産を実現する上で不可欠と考えられる。」との記述は、過去の私が、現在の私に送った、心にグッとくる強いメッセージでもあります。

●私は、まだブレていません。少しだけ自分を褒めてあげたい気持ちになりました。未来の自分に悔いのない日々を過ごそうと兜の帯を締めました。

◆「益荒男ほうれん草」秘伝File002 数値で紐解く!!その2《糖度》

●糖度は、果物などの甘さを表現するときに用いられる指標で、屈折糖度計という光学機械で調べることができます。単位はBrix%(ブリックス%)。果物の美味しさの指標でよく用いられており、皆さんに一番親しみやすい指標です。

●料理の教科書などでは一般的にほうれん草の糖度は3〜5度と言われています。私達は、無農薬とか有機農業とかといった価値観にとらわれず。独自の科学的農法「ジャグロンズ農法」によって美味しい野菜を世の中に送り出したいと、かなり個性の強いほうれん草にこだわり続けてきました(無農薬栽培や有機栽培を否定するものではありません。私達は、隠し味的に必要なときだけちょっとだけ使います)。

●それが、3つのストレート系と2つのロゼット系からなる5つの益荒男ほうれん草です。

◆ストレート系◆

①【ゴールデンタイプ】Max糖度11度を超えるスイカ並みの甘さの益荒男ほうれん草

②【ブラックタイプ】Max糖度15度とメロン並みの糖度を誇り、軸の味がトウモロコシのような風味を醸し出す益荒男ほうれん草

③【レッドタイプ】真っ赤な色合いが、サラダのみならず季節の料理の春を演出する益荒男ほうれん草

 

◆ロゼット系◆

④【アフロタイプ】ほうれん草の旨味が強く、縮んだボディーが、スープや中華にも向いた益荒男ほうれん草

⑤【ファイブスタータイプ】究極の益荒男ほうれん草は、濃緑肉厚で濃厚な旨味と甘み全国の料理人が唸った5つ星です。

※ロゼット系の益荒男ほうれん草は、糖度を上げやすく、高級メロン並みの甘さで出荷されることはザラです。が、、、訳あって、できるだけ15度以下で出荷しています。そのお話しは、またのコラムでご紹介させていただきます。

●益荒男ほうれん草のある生活、あなたもいかがですか。

※↑高橋さん(写真左)と粟津さん(写真右)、実は義兄弟。

◆ファーム*ジャグロンズ「兎農園」では、地域の方にも大変お世話になっている。

◆現在、「あったか山農産物直売所」の代表をされている高橋勝夫さんは、六郷東根小学校の先輩でもあり、農林水産省のOBでもある。

◆また、農林水産省関東農政局の課長さんをされて定年退職された高橋さんは「サクラマス」組(※)の先輩でもある。(※生まれたところ(川)から一度離れて、海で成長して、再度生まれた川に帰ってくる活き方をする人。厳密に言えば私は回遊魚的な生活をしているのでサクラマスとは言えないかもしれない。)

◆6月から高橋さんの紹介で、仕事を手伝いに来てくださっているのが、粟津晃成さん。元農研機構東北農業研究センター大仙研究拠点の総括作業長を経験されて退職された農場管理のスペシャリストだ。

◆多くの人と出会いながら、只今エダマメの植え付け作業真っ最中、残り10日間で残り2haの圃場の植え付け作業を終える予定だ。

※↑今回の圃場は、かなり強引な作業進行の元、粟津さんは始めてのスコッパー作業に挑戦中。

※↓「草」が完全に「腐」ってないので、かなり作業が難航中、これはスキーのスタイルで言えば「モーグル」状態。何とか、機体を制御しながら、無事作業を完了されました。粟津さんお疲れ様でした。

 

 

◆ジャグロンズブートキャンプでは朝5時から6時半までの90分間は、朝飯前の一仕事タイムだ。

◆平成最後の日である4月30日の朝飯前の一仕事は、畝たてマルチ作業。圃場の東にそびえる奥羽山脈にはまだ雪が残っているが、西の方角は私の母校である旧六郷東根小学校(今は廃校)のグランドの桜が満開だった。

◆畑の土のあんばいもよく、作業も順調にはかどった。

◆ふと今までになかった、たて看板に気がついた。近寄ってみると、歴史の説明書きだった。

◆なんと、第二次世界大戦(太平洋戦争)末期に学童を動員して、この地にゼロ戦のための飛行場(200m×1500m)を作ったというのだ。しかし、実際に使用する前に連合軍に見つかりあえなくゼロ戦の発着は行われなかったようだ。

◆野球場の南側の一番緑色の濃いところ約1haは、私たちのエダマメ圃場である。すっぽりと飛行場跡に飲み込まれていることを知った。

◆エダマメを作っていた圃場がゼロ戦用の飛行場跡だったとは。。。歴史の真実を知った瞬間だった。

◆なんとなくすごしている身近な地域でも歴史上の大きな物語を秘めていることを知り、感慨深い思いでいっぱいになった。

◆今週で、ファーム*ジャグロンズ安濃津農園のほうれん草生産を終了します。今年は、ほぼ予定通りの実績を上げることが出来たことを関係者各位および取引先様にお礼申し上げます。

◆いよいよ「渡り」の時がやってまいりました。「渡り鳥農業」「ワンゲルファーミング」露地野菜生産の、農業経営スタイルで、最も環境の適した場所に移動して農業に取り組む農業を実践して、12年になります。

◆創業時の三重県と秋田県をリレーして1年中ほうれん草を作る試みは、秋田の夏が思ったより暑かったことから3年で挫折、その後、東北秋田での作物をエダマメ生産に切り替えてから、一気に面積を拡大して今年は13haと、未知の領域に挑戦します。出荷期間1ヶ月での勝負は、決して易しいものではありませんが、今年こそは、過去2年間の失敗経験を活かして、経営を上昇気流に乗せて行きたいと考えております。

★さて、今季の、ほうれん草生産で、最も印象深かったことがあります。少し紹介させてください。戌年の私は、「無駄吠え」の癖があり、このエネルギーを前向きに変えようと2年前に「サニーサイドゴスペルクラブ三重(以下、サニーGC三重と表記する)」という、ゴスペルサークルに入会させていただきました。しかし、私の仕事はあまり他に例のないようなところがあるため季節的にいなくなったりと、地元のメンバーの皆さんにはちょっと怪しい存在だったと思います。

★3月中旬に、私の農業経営者としての未熟さから、取引先様との需給バランスの調整上、ほうれん草を、余らせてしまいました。私は、スタッフのみんなで一生懸命作ったほうれん草を何とかしたいと必死に考えました。そこで、藁をも掴む思いでサニーGC三重のリーダーの小西さんにチャリティーの提案をさせて頂いたところ快く引き受けていただきました。

★本来、ゴスペルは、キリスト教の宗教的要素が強い歌です。サニーGC三重は、「愛」の宗教である、キリスト教の「愛」のエッセンスを、カンボジアの学校に行けない子供たちへの、チャリティーという形で実践し、宗教とは一定の距離を置くことで、より多くの皆さん(仏教徒、イスラム教徒その他、もろもろの信仰を持つ人もOK)と、ゴスペルの素晴らしさを共有するところに、最大の特徴があります。

★話はチャリティーの話へ戻ります。カンボジアには小学校にいけない子供たちがたくさんいるそうです。14400円あれば、子供一人が1年間学校に行けるとのこと。これを聞いて、私は、チャリティーの意義に目覚めました。もったいないほうれん草を、ゴスペル仲間の皆さんに特別価格で提供し、よろこんで頂き、売り上げをカンボジアの子供たちに寄付する。ほうれん草の量から言って5人は行けるはず。

★72000円の目標は、簡単ではありませんでした。「津市」から始まり、「四日市市」、「伊勢市」そして、「伊賀市」三重県のほぼ全域でチャリティーをさせていただき、それでも足らなくて、お隣の愛知県「名古屋市」まで、遠征させていただきました。その結果、皆さんのおかげで4.5人の子供たちを学校に行かせるだけの寄付金が集まりました。私も燃え尽きる寸前までいき満足していました。

★ここで奇跡が起こりました。この活動に共鳴してくれた、「伊賀」のメンバーの「うえさん」から、「目標までもう少しなので、もう一回伊賀でチャリティーやらないか?余ったら俺が全部購入するから」との申し出を頂いたのです。なんとも男気あふれる提案です。

★最後の伊賀の皆さんのご協力と「うえさん」の「おとな買い(箱買い)」の甲斐もあって、結果、72450円と目標達成することが出来ました。↓

https://ameblo.jp/sunnyside-konitan/entry-12451187373.html

★以上の経験を踏まえて、今回のイベントで私には2つの収穫がありました。一つは、多くのメンバーさんにジャグロンズの「タッカー」を知ってもらい、これまで以上に身近に接してもらえるようになったことです。所属クワイアの「伊勢」だけでなく、津、四日市、伊賀(「うえさん」には伊賀のメンバーになれとまで言われてます)まで、これまで以上に「I Love MIE」になりました。そうしてもう一つ、それは、仕事上の収穫です。まだまだ、多くの方に私のほうれん草を知っていただく余地があることを再認識できたのです。また、来年に向けて、どうしたら。「美味しさ」と「情報」を多くの皆さんに伝えることが出来るかを一生懸命考えて行きたいと思います。

★最後に、小西リーダーはじめ、サニーサイド関係各位の皆様、そして、今回のチャリティーに関心を持って見守ってくださった多くの方に心より感謝いたします。ありがとうございました。