●農作業や農場の営繕全般をこなしている私には愛用のお気に入りの靴がある。ワークブーツだ。本皮製であることとリーズナブルであることが購入の条件。リーズナブルでも合成皮革のものは蒸れるので使えない。

●だいぶ前にリサイクル店で見つけた「プレーントゥタイプ」のワークブーツ。未使用だが保存状態が悪くカビが生えていた。よく拭いてミンク油を塗ってメンテナンスして履いてみたが少し歩いただけでソールとアッパーの接着剤が効かなくなり剥離して「口あき」状態になった。

●それから半年後、街で見かけた気になる靴店の門戸をたたいてみた。津駅からまっすぐ東へ向かって、国道23号線をわたってすぐの左側にそのお店がある。店主のおじさんが一人でいすに座っていた。

●私の話を聞いてくれたあと、店主のおじさんは、いくつかの処置方法を説明してくださり、「私に任せてもらえませんか」と提案してくれた。見積もり金額も新品を買うよりも安く出来る。早速お願いした。

●そして2日後、完成したのがこの通り。ソールサイド面中央部から斜め45度上方に穴を開け、靴の皮の部分とソールを縫い付ける手の込んだ修復を施してくれている。

●私の嗅覚にくるいはなかった。すばらしい出来栄えだ。おじさんは本物のプロフェッショナルだ。

●ネットでミツバト靴店を調べてみたら他にもおじさんの技に心を動かされた人がいることが分かった。→https://plaza.rakuten.co.jp/coniism/diary/201109030000/

●ミツバトのおじさんを尊敬するのはやっぱり私だけではなさそうだ。

●私も尊敬されるようなものづくり職人を目指したいと思った。

 

☆↓本日今季初出荷!!益荒男ほうれん草 5☆「ジュべナイルタイプ」

●私はほうれん草の生産者になって12年。これまで色々なお客様のお世話になってきた。

●色々なことに挑戦してきたが、ただ1つ苦手なことがある。それは商売だ。これは起業家にとって致命的な問題だ。

●商売が苦手なくせに、こと、「ほうれん草を売ってやる」的なお客様との取引も大の苦手、すぐに犬猿の中になる。

●一方、12年間の中で嬉しかったことも数知れずある。その中で嬉しいことの1つが、プロの料理人さんとのやり取りである。

●初めて私のほうれん草を評価していただいた津市のレストラン ラ・パルム・ドールのシェフ後藤雅司さん。そして、大阪新地「カハラ」の店主森義文さん。そして、喜扇亭名古屋ミッドランドスクエア店の皆さん、名古屋覚王山レストランヴィトラ名古屋の皆さん。その他多くの「食のプロ」の皆さんからのリクエストに応えるのは非常にやりがいがあり楽しい仕事である。

●先ほど、後藤シェフから連絡が入り、1月からの新作メニューでジャグロンズの「益荒男ほうれん草」とサトイモ「サカエ1950」を使ったメニューを企画しているとのこと。キャベツの代わりとして使用出来る肉厚のほうれん草の提供のご相談を頂いた。いくつかの選択肢の中からそのときの最高のものを提供してゆきたいと考えている。どんなサプライズメニューができるのか楽しみだ。三重県津市近くの方は是非ともシャトー ラ パルムドールをチェックして頂けたらと思う。

●さて、本日出荷の益荒男ほうれん草はファイブスター5☆の「ジュベナエルタイプ」だ。益荒男ほうれん草=甘いほうれん草というイメージだが、ある意味それは本当だが、本来はそうではなかった。「益荒男ほうれん草」=「ほうれん草」+「情報」。これが私が初めて「益荒男ほうれん草」を世に送り出したときのの原点だった。「甘い」という情報もあれば「渋い」という情報もある。

●今回はレストランヴィトラ名古屋の森下さんからのリクエストでまだ甘くなる前の「益荒男ほうれん草」を出荷させていただいた。甘い「マチュアータイプ」と比較してほうれん草のアクが強い玄人向きのほうれん草だ。この「益荒男ほうれん草」を「食のプロ」がどうアレンジしてくれるのか想像するだけでのかワクワクする。

 

●三重県津市は今季初の初霜を観測!!益荒男ほうれん草もこの通り!!

●只今人気の「益荒男ほうれん草」。名古屋「サポーレ瑞穂店」、伊勢丹新宿店、そしてネット販売のオイシックスさんで絶賛発売中。

●残念ながら現在三重県内で購入できるのは、尾鷲市のおさかな市場「おとと」さんのみ。

●三重県内の購入方法はほぼ農場直売(予約販売)のみです。農場直売購入はジャグロンズサポーター会員限定。

●ジャグロンズサポーター会員登録の方で農場に見学に来れれた方には、直売パック(500g入)1袋をプレゼント!!

●ご希望の方は、ジャグロンズサポーター会員登録をお願いします。jagrons●gmail.com(●を@に換えてください)藤原までご連絡ください。

※20181211T.Fujiwara.

 

 

 

※↑左から山形県産、三重県産、京都府産。左側ほど東洋種の特徴が強く、右側ほど西洋種の特徴が強く現れている。

※↑これが「赤根ほうれん草」山形県高畠町産だ。

※↑これは「京都瑞穂ほうれん草」京都府瑞穂町産。

※↑そしてベンチマークほうれん草は「益荒男ほうれん草」。これは「ブラックタイプ」三重県津市安濃町産だ。

●2018年11月28日に新幹線で三重県から東京に日帰り出張した。

●お取引先様である伊勢丹新宿店のデパ地下生鮮売り場に立ち寄らせていただいた。

●長年お世話になっている小林店長が、「ちょっとこれ食べてみて」と紹介してくれた(試食させてくれた)のが、山形県産の「赤根ほうれん草」。知ってはいたがはじめて目の前にした。

●生でかじった感じでは、苦味がなく糖度10度前後と思われた。どうしても数字を出してみたい。「ほうれん草マニア」の血が騒ぎいくつかのほうれん草を購入した。

●購入したのは、山形県産「赤根ほうれん草」、三重県産「益荒男ほうれん草」、京都府産「京都瑞穂ほうれん草」の3つ。3袋の合計購入金額は1625円なり。

●京都府産のほうれん草は、売り場で一番高いほうれん草だ。今から17年前に私が京都府綾部市にある農林水産省の研究所でほうれん草の研究に着手した際の想定生産現場でもある瑞穂のほうれん草(ハウスものと思われる)。税込価格1袋702円だ。

●山形県産のほうれん草は、通常のほうれん草の外観を超えた太い赤根が特徴だ。腋芽が多く、じっくり寝かして作られたほうれん草とお見受けした。固定種の日本ほうれん草で病気に弱く作りにくいといわれているが、山形県の冬は三重県よりも一足早く来る。色が山吹色で根が赤い特徴は、ジャグロンズの益荒男ほうれん草の中では「ゴールデンタイプ」に極めて近い。※ゴールデンタイプはF1ハイブリッド種子だが、かなり古い品種で「べと病」に弱い。そのため三重県産では、1月中旬から2月上旬にしか出荷できない。

●三重県産のほうれん草は「益荒男ほうれん草」。ベンチマークとして購入した。農場に有るものと出荷してお店に並んでいるものでは品質が異なる場合があるので、あえて、販売現場から調達した。「益荒男ほうれん草」のみ、肉などの食材と同じ量り売り販売である。産直のほうれん草をお店のバックヤードで袋入れしていただき、グラム単価(現在は100gあたり200円)で販売するスタイルは、伊勢丹新宿店のみのこだわりの販売スタイルだ。店頭販売時の外観の美しさは生産者の私も満足ものだ。現在出荷されているのが、「ブラックタイプ」。暖冬のため、まだまだ糖度は上がりはじめたばかりだで、三重の農場からは葉柄基部の糖度が7度(Brix%)前後で出荷されているが、売り場ではどのような状態になっているのかが気になるところ。

●糖度の計測結果は次のとおり。京都府産2.1度(Brix%)、三重県産6.8度(Brix%)、山形県産11.8度(Brix%)。京都産に関しては、ハウスもののほうれん草は、糖度が上がりにくいが、外観の美しさや揃いのよさが特徴だ。また、やわらかさでは3つの中でもっともやわらかいので、しゃぶしゃぶもいけると思う。糖度が低めなので砂糖が入った「ごまだれ」で食べるのがお勧めである。山形県産は、やはり、お砂糖なしでそのままだ。生でサラダでもいけると思う。そして三重県産の「益荒男ほうれん草」。甘いほうれん草としての認知度が一人歩きしてしまっているが、ほうれん草としてはかなりいいバランスで仕上がっている。現在は「おひたし」が最もおいしく食べていただけるお勧めの調理法である。

●今回お忙しいところ対応していただいた小林店長、野菜担当の鈴木さん、阿部さん。ありがとうございました。今シーズンもよろしくお願いします。