●「二兎を追うもの一兎も得ず」、いや、厳密には、一兎だけ追ってしまった結果、もう一兎に逃げられかけているという状況。
●発芽100点、育苗100点、施肥・畝立て100点、定植作業90点、かなり余裕をかましていた「昔取った杵塚」の夏のキャベツ栽培。今回は、油断してしまった。排水が悪く雑草の発生が異常に速い圃場で、害虫と除草の防除管理に失敗してしまったのだ。
●「うさぎ印の枝豆」にばかり気を取られているうちに、アオムシと、雑草にやられてしまった。この長雨と、初めての耕作放棄地開拓圃場での、初めてのキャベツ栽培、一筋縄ではいかないことに気づかされた。
●キャベツ栽培では、10葉期から結球開始期までの初期防除が、肝要なのに、、、、。天候不良の中かなり厳しい環境下での定植では、定植後のフィールドスター処理ができなかった上、その後の長雨に見舞われたため、今回の圃場条件は、私にとっては完全にアウエー状態だった。
●ただし、定植時期をずらした30%のキャベツは、今のところまずまずの出来栄え。アオムシの発生には、ちょっとやられた感があるが、頑張ってリカバリーしなければならない。

◇今回は、これからキャベツを始めようとしている方々に、夏まき秋冬どり作型の栽培テクニックのコツを公開します。
◇7月上の、キャベツで最も気を付けること、それは雑草の初期防除と「芯くい虫」対策、以上の2つ。キャベツは生長点がなくなると結球しません。したがって収穫できなくなります。ダイコンなどのアブラナ科の野菜や雑草に潜んでいる「ハイマダラノメイガ」の食害。これを徹底的に防ぐ必要があります。
◇今回は、定植後の雑草の初期防除ということで「フィールドスター乳剤」、そしてハイマダラノメイガ対策として「マラソン乳剤」を混合した、薬剤を散布るることにしました。ところが、日中は風が強くなかなか良いコンディションに恵まれません。
◇しかし、必ずチャンスは来るはず。じっと待ちます。そしてまさに、夜のとばりに包まれようとした時18時45分。来ました、夕凪。早速、Go Ahead!!です。
◇それではどうぞ動画をお楽しみください。

★どうしても、人生に悔いを残したくない。そんな気持ちで今年はキャベツづくりを始めてしまった。季節限定のキャベツづくり。それも秋田県で。

★私のプロとしての野菜作りは、平成6年の秋に遡る。野菜・茶業試験場生理生態部作型開発研究室に新人研究員として配属になって初めて取り組んだ研究対象野菜が「キャベツ」。そして約7年間であったが、キャベツづくりに関してはだいぶマニアックに取り組んできた。

★現在、私が経営する秋田の農業法人の作付面積は15haほどある。私が目標とするエダマメの経営栽培面積は20haであるが、2年後は23haほどになってしまう。時代の趨勢に従い、余剰面積を私の得意な野菜の栽培でカバーしようと考えた結果、いよいよキャベツ栽培の開始!!と来たのである。

★今回のキャベツは、自分で販路の開拓は行わない。出荷先は、お隣のJAふるさと農協さん。加工用キャベツというジャンルに取り組む。今年は30aほどの面積からスタートする。

★現在、私の農園圃場は大きく千畑エリア、六郷エリア、仙南エリア、大曲エリアの4つあり、圃場数は104か所ある。千畑、六郷(農場本部の所在地)、大曲の各エリア(10ha)はJA秋田おばこ農協の管内に属している。そして仙南エリア(5ha)は、JA秋田ふるさと農協の管内だ。

★仙南エリアで知り合ったトマト部会の部会長さんからの紹介で、秋田ふるさと農協の野菜担当の傅野さんという方にお会いし、そのパッションに私と通づるものを感じ、早速、私の農業法人を秋田ふるさと農協に組合員として参加させることを決定した。

★7月10日は午後の半日で、約12000本の苗の定植を完了。乗用型の移植機は平成8年式の旧式だが、半日かけて不具合を調整した結果。素晴らしい働きを見せてくれた。この地域ではほとんど見かけない珍しいものが動いているので、近くの人が集まってきて、さながら機械の展示会のような感じになる一場面もあった。

★キャベツなら、面積を増やすのはエダマメよりもたやすいので、5haくらいはすぐにでも作れる。あとは、販売面でJAの底力を発揮してもらえるように祈るのみだ。

★今回栽培するのは、地域の標準品種の「あさしお」、それに東海地方ではスタンダードですが、北東北地方ではほとんど栽培されていないと思われる「YRしぶき2号」&「松波」です。大阪や広島のお好み焼き屋さんに喜んでいただけるような、チョー、ハードボイルドなキャベツが出来上がることでしょう。

★↑↘見てください!このフォルム!完璧の出来栄えです!教科書に載る程の見事な3.5葉苗!T/R比が小さく、植え傷みし難い硬い苗に仕上げました。

 

●藤原隆広の野菜研究の出発点はキャベツ。キャベツの機械化作型一貫体系の確立のためのプロジェクトに参加し、セル成型苗を用いたキャベツの生育斉一化技術の開発が、研究者人生の半分以上を費やして取り組んだ私の過去の仕事の成果である。

●今日は、未来の来る日に備えて、しまってあるキャベツ収獲機を倉庫から引っ張り出して動作をチェック!

●いつか、過去の仕事の成果を、実業として、未来の農業の現場に役立てたいとの思いを再確認した。